研究課題
1. 種多様性維持メカニズムの解明: 広葉樹数種で播種実験を行い、実生の生存・成長に及ぼす病原菌ならびに菌根菌の関与を解析した。暗い林内では、成木下では種特異的な病原菌(立ち枯れ病・葉の病気)による同種実生の高い死亡率が見られた。特に発芽当年では立ち枯れ病による死亡率が高かった。その結果、成木下では他種実生が生き残ることにより種の置き換わりが起きていた。これはJanzen-Connellモデルが成立し、種の多様性が高まる事を強く示唆している。一方、明るいギャップでは同種成木の下で菌根菌の感染率が高く,同種実生の発芽当年の死亡率も低かった。しかし、1年生、2年生になっても種特異的な葉の病気の感染が見られ,そのための同種の死亡率が増加し,結果的に、成木下では他種実生が生き残り、Janzen-Connellモデルが成立した。当初は、ギャップでは菌根菌が病原菌より卓越するといったことを予測していたが、ミズキ、ウワミズザクラの2種ではこの予測は当たらず,ギャップにおいてもJanzen-Connellモデルが成立する事が明らかになった。2. 生態系機能の解明:間伐強度を3段階に変えたスギ人工林では、種多様性の回復度合が高まるにつれ水源涵養機能(水浸透能)が高まる事を明らかにした。土中への水浸透速度は細根の現存量の増加と有意な相関があった。種多様性は土中の細根量の増加を招き、そして、細根増加はミミズなどの土壌動物の増加、土壌空隙の増加を促し、それらが容積密度や土壌空隙率を増やし,結果的に水浸透を促したものと統計的に推測された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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