研究課題
気候変動等により、日本列島では大規模な降雨の増加による洪水の規模や頻度の増加が懸念されている。国土の60%以上を急峻な山地、森林が占める日本では、土石流や鉄砲水などの山地域の急激な水・土砂の流出メカニズムや、急激な水・土砂流出が河川生態系に及ぼす影響などを理解し予測する必要がある。山地河道の水理特性は山地域の急激な水・土砂の流出をコントロールするにもかかわらず、実態のデータが少なく、水・土砂の流出予測が難しい現状がある。そこで、本研究では山地河道の洪水時の水理特性の時間変化と、河道の形状、河床材料と水理特性の関係について明らかにする。次の3つを行うことを目的としている。A) 多様な山地河道での洪水時の流量、水深、流速データの取得B) 洪水時の山地河道の水理特性と河道形状の関係の解明C) 山地域の新たな水・土砂の流出予測手法の提案本年度は上記A)B)C)について研究を行った。A)については大きな降雨時の流出中の水の流れの実態を捉えることができた。山地河道は複雑な形状のため、水深が急激に大きく増加する一方で,流速はそれほど大きくならないが、詳しく見ると水理特性はステップ部やプール部など河道区間によって大きく異なることが明らかとなった。さらに、大きな降雨時には河道抵抗が局所的な河道形状に依存する状況から河道全体の形状に依存するようになることが示唆された。これらの成果は学会で発表した。B)については、グリーンレーザを用いた水面下も含む新たな3D測量技術の確立に取り組み、水面下についても補正をすればある程度の精度で河床地形を把握することが可能であることを見いだし、学会・論文で発表した。C)について、とりまとめ中である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)
水文水資源学会誌
巻: 27(1) ページ: 19-28
Advances in River Sediment Research, Proceeding of 12th International Symposium on River Sedimentation
巻: 1 ページ: 737-742
巻: 1 ページ: 2003-2011
巻: 1 ページ: 1749-1756
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/asano/Index.html