研究課題/領域番号 |
23380088
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究分野 |
森林科学
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
蒔田 明史 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (60315596)
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研究分担者 |
陶山 佳久 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60282315)
鈴木 準一郎 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (00291237)
齋藤 智之 独立行政法人森林総合研究所, その他部局等, その他 (00414483)
井上 みずき 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (80432342)
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キーワード | 国際研究者交流 / タイ / Bamboo / 開花習性 / ジェネット構造 / 進化 / 遺伝的多様性 / 部分開花 |
研究概要 |
本研究は、温帯域のbambooの開花周期が熱帯域のタケと比べ著しく長いことを説明するために、その要因として、タケササ類の「ジェネット空間構造」に着目し、有性繁殖時の繁殖成功度を推測することで、温帯性bambooのジェネット混在型構造が開花周期の長期化に寄与しているとの仮説を検証しようとするものである。 本年度は、1)ササのジェネット空間分布構造の種特性の解明、2)熱帯性タケ類のジェネット空間構造の調査、3)部分開花の適応的意義、4)チュウゴクザサ実生個体群の成長と遺伝的構造の変遷についての調査を予定していた。このうち、2)については、タイ国における大洪水の影響を受け、延期を余儀なくされたが、24年度に無事現地調査を終え、現地研究者と今後の研究についての打ち合わせを行うことができた。他の課題については23年度中に順調に遂行した。まず、1)に関してはチシマザサ他3種の代表的ササ類をとりあげ、攪乱の少ない調査地2,3地点でのサンプリングを行い、手法の確立を行った。3)については、秋田県内7箇所の部分開花地において、ジェネット構造、結実率、さらには生産された種子の発芽実験等を行い、部分開花の繁殖成功度についての考察を深めた。さらに4)については、一斉開花後5年を経た実生個体群の更新状況の調査をおこない、さらに、実生のDNA解析により一斉開花による遺伝的多様性の変化に関する解析を行っているところである。研究開始1年目でまだ十分なデータ解析はできていないが、当初計画通りのデータ収集が行えたので、今後さらに解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
タイ国における大洪水の影響を受け、予定していたタイ国での熱帯性タケ類の現地調査を1年間延期せざるを得なくなったため、その分の解析が遅れているが、他は順調である。
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今後の研究の推進方策 |
23年度実施できなかったタイ国での熱帯性タケ類に関する現地調査に関して、24年度に実施することで現地との調整を図り、24年度に予定通り調査を終えた。 その他、研究グループで定期的に会合を繰り返し、これまでのデータのとりまとめと今後の調査計画についての打ち合わせを行って行きたいと考えている。
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