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2011 年度 実績報告書

アクチノリザル樹木ジアリールヘプタノイドの生合成とフランキアとの共生機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23380098
研究機関静岡大学

研究代表者

河合 真吾  静岡大学, 農学部, 教授 (70192549)

研究分担者 西田 友昭  静岡大学, 農学部, 教授 (10252165)
山中 高史  森林総合研究所, 森林微生物研究領域, チーム長 (00343799)
キーワードアクチノリザル樹木 / ジアリールヘプタノイド / 生合成 / フランキア / 窒素固定 / ケミカルコミュニケーション
研究概要

ヤマモモ若枝への^<13>Cで標識前駆体の投与実験結果から、環状ジアリールヘプタノイドであるミリカノールは2分子のp-ヒドロキシ桂皮酸誘導体類が生合成に関与し、その酵素はIII型植物ポリケチドシンターゼ(PKS)であることが予想された。そこで、若枝部から単離したTotal RNAを鋳型にcDNAを調製し、クルクミンシンターゼなどのPKSアミノ酸配列情報をもとに、degeneratePCRを行ないミリカノールシンターゼ(MYS)遺伝子の取得を試みた。その結果、数種のPKS様遺伝子配列を取得したが、MYS遺伝子を特定するには至らなかった。そこで、ヤマモモtotal RNAを用いて次世代シーケンシングによるトランスクリプトーム解析を行った。現在、得られた配列データからMYS遺伝子の取得を試みている。一方、同じアクチノリザル樹木であるオオバヤシャブシ材部からは、新規化合物を含む環状ジアリールヘプタノイド3種を単離・構造決定した(論文投稿中)。現在は、オオバヤシャブシtotal RNAもヤマモモと同時に次世代シーケンシングよる解析を試みている。
他方、アクチノリザル樹木とフランキアのケミカルコミュニケーションについては、オオバヤシャブシ材部、樹皮部等の抽出成分のフランキアの窒素固定能の指標となるニトロゲナーゼ活性に対する影響を、アセチレン還元法によって調べた。その結果、材部、樹皮部のメタノール抽出物の添加がニトロゲナーゼ活性に大きく影響することが明らかとなった。また、オオバヤシャブシ実生に対するフランキアと抽出成分添加の影響を調べたところ、樹皮メタノール抽出物の添加が実生苗の良好な生育をもたらし、根粒の形成が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ヤマモモおよびオオバヤシャブシからdegenerate法でジアリールヘプタノイド生合成遺伝子を取得することができなかったことと、オオバヤシャブシ抽出成分からフランキアとの共生に関わる成分を特定できなかった点がやや遅れていると評価した点である。

今後の研究の推進方策

本年度degenerated PCRと並行して、ヤマモモ・オオバヤシャブシtotal RNA次世代シーケンサーによるトランスクリプトーム解析を行っており、今後は次世代シーケンシングで得られたデータを早急に解析し、環状ジアリールヘプタノイド生合成遺伝子の部分配列を特定することを予定している。解析によって得られたESTタグを鋳型とし、Race PCRによって全長遺伝子の取得とタンパク質発現を行い、p-ヒドロキシ桂皮酸-CoAエステル類を基質とした酵素反応を行う。一方、オオバヤシャブシとフランキアの共生関連物質に関しては、アセチレン還元法によるアッセイによって、単離・構造決定を行う予定である。また、当研究室で本樹木よりすでに単離されている環状ジアリールヘプタノイドの窒素固定に及ぼす影響についても検討する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Diarylheptanoid, myricanol, biosynthesis in Myrica rubra : Incorporation experiments of p-hydroxycinnnamic acid derivatives2011

    • 著者名/発表者名
      河合真吾
    • 学会等名
      北アメリカ植物化学会50回記念会議
    • 発表場所
      アメリカ合衆国ハワイ島・フェアモントホテル
    • 年月日
      2011-12-15

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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