研究課題/領域番号 |
23380114
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
森山 俊介 北里大学, 水産学部, 教授 (50222352)
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研究分担者 |
内田 勝久 宮崎大学, 農学部, 准教授 (50360508)
天野 春菜 北里大学, 水産学部, 講師 (50431341)
奥村 誠一 北里大学, 水産学部, 准教授 (60224169)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | エゾアワビ / 脳神経節cDNAライブラリー / 食欲調節ペプチド / 再生促進ペプチド / 性成熟促進ペプチド / 代謝調節ペプチド / 受容体 |
研究概要 |
水産資源として重要なエゾアワビの成長促進技術を開発する上で、アワビの成長や細胞増殖を促す生理活性ペプチドを同定し、機能および調節機構を解明する基礎研究は極めて重要な役割を果たす。本年度は、これまでの研究に引き続き、アワビ脳神経節から成長、食欲や代謝調節、また、再生促進に関与する生理活性ペプチドを探索して構造を解析するとともに、生理活性ペプチドの産生部位や機能を解析した。 成長優良個体、上足組織切除個体および通常個体のアワビ脳神経節cDNAライブラリーを次世代シークエンサーにより解析し、それぞれ約200万クローンの塩基配列が得られた。成長や再生、糖代謝、食欲、摂食行動および性成熟に関与するペプチド・ホモログ群のみならずペプチドに対する受容体も得られた。 脳神経節の塩酸アセトン抽出物を用いて食欲調節ペプチド・ホモログ(NPY)の構造解析を行なった結果、26と39アミノ酸残基からなる2つのペプチドを同定した。これらのペプチドは同一のmRNAから生じることを明らかにした。アワビ稚貝を絶食するとNYP mRNAの発現レベルは、摂餌群よりも増加し、また、摂餌を再開すると、NPYの発現レベルが増加することを明らかにした。さらに脳神経節におけるNYP mRNAの発現レベルは、成長の良い稚貝ほど高い値を示すことから、NPYがアワビの成長促進において重要な機能を担うと考えられる。 脳神経節の塩酸アセトン抽出物を用いて生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン・ホモログ(GnRH)の構造解析を行なった結果、11と12アミノ酸残基(GnRH-11および12)からなる2つのペプチドを同定した。一方、GnRH-11と12は別々のmRNAから生じることを明らかにした。GnRHは上足を切除した後、その発現レベルが増加することから、このペプチドはアワビにおいて性成熟のみならず細胞の増殖・分化にも関与すると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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