研究課題/領域番号 |
23380115
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
天野 勝文 北里大学, 水産学部, 教授 (10296428)
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研究分担者 |
高橋 明義 北里大学, 水産学部, 教授 (10183849)
阿見彌 典子 北里大学, 水産学部, 講師 (20588503)
千葉 洋明 北里大学, 水産学部, 准教授 (50236816)
水澤 寛太 北里大学, 水産学部, 講師 (70458743)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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キーワード | ストレス / 摂食 / 生殖 / 神経ペプチド / 魚類 / CRH / GnRH / MCH |
研究概要 |
1.水産重要魚種におけるCRHニューロンの脳内分布:魚類全般における副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)ニューロンの分布の普遍性あるいは種特異性を解明することを目的として,免疫組織化学染色で水産重要魚種のCRHニューロンの脳内分布を調べた.昨年度に調べたニホンウナギの他に,新たにチョウザメ,メダカ,グッピーにおいて,CRH免疫陽性細胞体が視床下部に,陽性繊維が脳全体に検出された.ヒラメ,マツカワ,サクラマス,コイでは,CRH免疫陽性反応は微弱であった.ニホンウナギを用いて,生殖を司る生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)とCRHのネットワークの有無を二重免疫組織化学染色で調べた.その結果,両ホルモンがネットワークを形成する予備的知見が得られた. 2.ニホンウナギにおけるCRH遺伝子発現解析:CRH遺伝子発現量を測定するための基礎として,ニホンウナギ視床下部からCRH cDNAをクローニングした.CRH cDNAは902bpからなり,翻訳領域は,シグナルペプチド配列,cryptic peptide配列およびCRHペプチドをコードする部分からなっていた.演繹アミノ酸配列は41残基で哺乳類CRHと3残基のみ異なっていた.得られた塩基配列情報を基にジコキシゲニン標識合成オリゴプローブを作製して,in situハイブリダイゼーションでCRH遺伝子発現ニューロンを検索中である. 3.CRHの時間分解蛍光免疫測定法の確立:昨年度に着手したCRHの時間分解蛍光免疫測定法についてさらに検討した.CRHと構造の類似しているウロテンシンIおよびIIとの交差率はともに0.3%以下と低く,本測定系の特異性が高いことが判明した.代表的な魚種の組織抽出物の競合曲線と標準曲線との平行性の有無を解析中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災によって,北里大学海洋生命科学部はキャンパス移転を余儀なくされた.平成24年9月に新研究棟が竣工するまでの間,研究スペースは他学部の一室を借用している状況で,決して十分ではなかった.新研究棟竣後も,本格的に研究を開始する環境を整えるのに時間を要したため,「研究の進行はやや遅れている」と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年9月に海洋生命科学部新研究棟が竣工して本格的に研究に取り組めるようになったので,今後は精力的に研究を進めたい.
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