研究課題/領域番号 |
23380116
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
小林 牧人 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (30183809)
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研究分担者 |
香川 浩彦 宮崎大学, 農学部, 教授 (60169381)
征矢野 清 長崎大学, 大学院・水産・環境科学総合研究科, 教授 (80260735)
吉崎 悟朗 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (70281003)
早川 洋一 国際基督教大学, アーツ・サイエンス研究科, 研究員 (50384011)
布柴 達男 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10270802)
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キーワード | 生殖腺刺激ホルモン / バイオテクノロジー / 魚類 / 性成熟促進 / 養殖 |
研究概要 |
脳下垂体から分泌される生殖腺刺激ホルモン(GTH)は魚類の性成熟過程において重要な役割を果たしていると考えられるが、これまで十分な量の魚類のGTHが得られず、魚類のGTHの生理作用の解明、水産増養殖への応用が停滞していた。申請者らはこれまでにカイコを宿主として用いた遺伝子工学的技術により、魚類の組換えGTHの大量生産に成功した。本研究では、水産増養殖上重要な魚種の組換えGTHを作製し、これらのホルモンの生理作用の解明を行うとともに、養殖魚の性成熟促進技法の開発を目的としている。 これまで小林らは、シスメックス(旧片倉工業)との共同研究により、ウナギ、キンギョ、マスの組換えGTHを作製してきた。 今年度は、これまでに生産した組換えウナギGTHを用いて、生理作用の解析、性成熟促進技法の開発を計画した。また組換えキンギョGTHについては、従来我々が作製してきたものは、構造上、GTHの精製、定量ができなかった。そこで今年度は構造改変を行った新規キンギョ組換えGTHの作製、生理作用の解析を計画した。さらに新規にブリの組換えGTHを作製し、その生理作用の解析を計画した。 ウナギ:in vitroにおけるFSH、LHの卵成熟誘起ステロイドの産生能を調べ、FSH、LHともに活性がみられたが、LHのほうが高活性であることが明らかとなった。 キンギョ:新規遺伝子コンストラクトを構築し、シスメックスに依頼して組換えGTHを作製した。GTHの生産量が予定より少なく、本年度はGTHの生産までにとどまり、生理作用の解析にまでに至らなかった。 ブリ:ブリGTHの遺伝子コンストラクトを構築し、シスメックスに依頼して組換えGTHを作製した。GTHの生産量は予定より少なかったが、作製されたFSH、LHのin vitroにおける性ステロイドホルモン産生活性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでウナギ、マスについては、カイコを宿主とした方法で組換えGTHの大量生産が可能であった。しかし、キンギョ、ブリについては、組換えGTHの生産量が少なく、その原因解明に手間取り、キンギョについては、組換えGTHの生産までにとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度、キンギョ、ブリの組換えGTHの生産量が予定より少なかったため、研究の進展が遅れたが、その原因が特定されたため、来年度は、組換えGTHの生産効率の改善をはかる予定である。また2年目から開始予定していた、生体内で安定な構造の組換えGTHの作製に取りかかる予定である。
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