研究概要 |
大規模シークエンスで得られた遺伝子の相同性解析 イルミナ解析で得られていたデーターを基に相同性解析を行ってきたが、既知の遺伝子データーバンクを用いた相同性解析で得られる遺伝子数は少なく、大部分はunknownの遺伝子であった。また、このunknownの遺伝子(タグ配列を除いた遺伝子は22塩基)を用いて相同性解析をしても困難であるため、再度400塩基から700塩基に渡る大規模シークエンスにかけることにした。現在解析中である。 メチオニンとヒストンのメチル化量解析 今回、遺伝子組換えアマゴとそのコントロールからヒストンタンパクの抽出を行い、ヒストンタンパクのメチル化量をエライザーにより計測したが、良好な結果を得られなかった。しかし、並行して行ったLC-MS/MS解析の結果、どの部位がどれだけメチル化、またはアセチル化されているのかを調べることが出来た。 マイクロアレイとiTRAQ法による比較定量トランスクリプトームとプロテオーム解析 GHは脳下垂体前葉から合成・分泌され、成長を司るホルモンである。そのため、このGH遺伝子組み換えアマゴの脳下垂体でどのようなことが起きているのかを知ることは重要な研究課題であった。脳下垂体ペプチドをiTRAQタグで標識し、分画したものをMS/MS測定したところ、45,305のスペクトルが測定され、2,345種類のタンパク質が同定された。そのうちの約10%にあたる188種類のタンパク質がHomo,Hetero,Non-Tg+GHの実験群いずれか(もしくはすべて)で発現変動がみられた。発現変動があったタンパク質同士の相互作用をネットワーク解析で調べた結果、iTRAQ解析で発現が変動していたタンパク質の約7割が変動タンパク質同士で相互作用を持つことが明らかになった。これらの結果は今年Joumal Proteomicsに発表することが出来た。
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