研究課題/領域番号 |
23380117
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
森 司 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (60241379)
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研究分担者 |
関 泰一郎 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20187834)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | GH transgenic Amago / アゼチジン2-カルボン酸 / TOFMS |
研究概要 |
肝臓からのアゼチジン-2カルボン酸の分離精製と構造解析 MSによるメタボローム解析の結果からアゼチジン2-カルボン酸が体内で合成されていることがTOFMSで示されている。更に、NMRでの構造解析を試みるために、大量精製を試みたが肝臓に大量に含まれていないため、TLCやカラムでの大量精製は困難であった。 また、以前からの懸案であった、餌の中のアゼチジン2-カルボン酸の有無に関して、LC-MS/MSによる解析を行った結果、アマゴ飼育に使われている試料の中にはアゼチジン2-カルボン酸は検出できなかった。そのため、餌にはアゼチジン2-カルボン酸はほとんど含まれていないと考えられる。臓器の形態形成と病気に関連する遺伝子の発現量解析 ①ControlとGH transgenic肝臓の形態観察を行った結果、Control肝臓の腹側面、背側面は共に滑らかで楕円形の単葉構造だった一方、GH transgenic肝臓の腹側面には凹凸が多く見られ、多角形または分裂葉のような形態だった。また肝臓の背側面については、表面に不自然な亀裂が走っていた。そして、GH 遺伝子組換えの全サンプル中にControlのような形態をした肝臓は見られなかった。このことから肝臓の形態変化には細胞接着分子や細胞骨格の遺伝子発現に変化があることが予測された。イルミナ解析のデーターからはCadherinやIntegrinなど細胞接着分子関連遺伝子の発現に大きな変化は見られなかった。しかし、ある重要な遺伝子が抑制されているため、この遺伝子により肝臓全体の歪みにつながったと考えられる。②23年度に行われたイルミナやハイセックによる遺伝子解析が終了した。これらの遺伝子を全てblast解析にかけ、GH組換え体のホモ、ヘテロの中でコントロールに較べて100倍以上発現しているものを上位100個選抜し、再解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①成長ホルモン(GH)遺伝子組換えアマゴの肝臓での発現遺伝子解析の結果から、遺伝子組換えアマゴのホモ、ヘテロ、そしてコントロールの肝臓で発現している遺伝子をイルミナやハイセックにより解析し、遺伝子組換えにより全遺伝子の発現を知ることが出来た。これらは全遺伝子の発現量、そして、均一化ライブラリーを作り、それらのデーターを重ね合わせることにより、遺伝子の全長解析も行うことが出来た。これにより、ほぼ全ての遺伝子の全長ライブラリーとそれらの発現量の比較が出来た。 ②代謝解析では、メタボローム解析などにより成長ホルモン遺伝子組換えアマゴのホモ、ヘテロ、そしてコントロールの肝臓での代謝全体が明らかになった。 この解析により、成長ホルモン 遺伝子組換えは脂肪組織が著しく減少し、脂質代謝関連遺伝子の変化に加えて、飢餓状態にあることが示され、それにより更に体内で何が起きているのかを脂質代謝との関連から明らかにすることが出来た。 ③安全性に関与する遺伝子と代謝産物の検索 まだ、全体を示すことが出来ないが、体の中で起きている多くの問題を示すことが出来た。現在、これらのデーターからなぜ、このような事が起きるのかを明らかにするようなステップに移ることになる。
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今後の研究の推進方策 |
肝臓で発現しているアゼチジン2-カルボン酸のNMRによる構造解析は困難であったため、高感度のCE-TOFMSにより筋肉などにもアゼチジン2-カルボン酸が存在するのかを明らかにしたい。アゼチジン2-カルボン酸には標品があるため、MSなどで解析されるデーターでほぼ存在の有無は明らかだと思われる。そのため、MSによる分析を進めていく事に焦点を変えることにした。
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