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2013 年度 実績報告書

GH遺伝子組み換えアマゴを用いた発現遺伝子や代謝産物からの食品としての安全性評価

研究課題

研究課題/領域番号 23380117
研究機関日本大学

研究代表者

森 司  日本大学, 生物資源科学部, 教授 (60241379)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2015-03-31
キーワードGH遺伝子組換え / アマゴ
研究概要

アメリカでは短期間で成長するGH遺伝子組み換えサーモンがFDAの認証が得られ、いよいよ我々日本人の口に入る可能性が出てきた。特にTPPへの参加が表明されたことで、このことが現実化してきた。我々は養殖研究所で同じサケ科魚類であるアマゴを用いて、巨大成長を示すGH遺伝子組換えアマゴを作り出してきている。しかし、この遺伝子組換え魚は外面的な形態のみならず、臓器の形態などにも異常を示すことが判っている。以前の実験結果から、実験に供した全ての検体(N=10)で肝臓や心臓などに著しい形態異常が起きることを示している。更に、魚の脂質代謝系や糖代謝が大きく変化していることも明らかになってきた。しかし、実際に人間にとっての魚の安全性の評価の視点からは魚の可食部位での解析が最も重要となる。そのため、今までの解析結果から、特に大きな問題があると思われる代謝物質や遺伝子発現などの食品の安全性に注目して、主な可食部位である筋肉に焦点を絞り解析を行った。そのため、GH遺伝子組換えアマゴ(ヘテロ)とサイズコントロール(各3匹)の2群の筋肉を取り出し、成分分析(水分、タンパク質、脂質、炭水化物、灰分)とエネルギーの分析、脂肪酸の不飽和度、コレステロール含量、トランス脂肪酸含量の測定を行った。その他にもマイクロアレー解析、2D-DIGE解析やメタボローム解析も行い、GH遺伝子組換えアマゴとコントロールとの差異を調べた。更にCE-TOFMSを用いて肝臓や筋肉の代謝産物解析を行った。その結果、ばらつきが大きいがGH遺伝子を組換えたアマゴとそのコントロールの肉質では特定の差異があることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究を展開しているうちに全く新しい発見がなされることは良くあることである。
今回、我々もGH遺伝子組換えアマゴの研究を行っている中で、ある条件下で作製された遺伝子組換え魚はその他のGH遺伝子組換え魚と代謝系が大きく異なることが明かになった。
この事は今回の研究の中で明らかになったため、同時に展開していた可食部位に関する研究の一部では代謝系が大きく異なる組換え魚もGH遺伝子組換え魚として一緒に解析してしまったことを意味する。
そのため、より正確なデーターを得るためには再度実験を立ち上げる必要があると思われる。

今後の研究の推進方策

なぜ、GH遺伝子組換えアマゴの中でも組換え体の作製状況が異なるだけでこれ程大きく代謝系が異なるのかを明らかにするために再度GH遺伝子組換えアマゴの作製を行い遺伝子組換え魚の肉質に関する同様の実験を行う。また、GH遺伝子組換えアマゴの臓器の形態形成異常が起きる原因に関しても、それらに関連する遺伝子群が現在明らかになりつつある状況である。そのため、最終的には現在スクリーニングされた遺伝子群の中からコントロールと較べて臓器の形態形成異常に強く関連すると予測される遺伝子のミューテーションの有無がどれだけあるのかを調べる必要がある。今後、このミューテーションの有無と遺伝子のミューテーションの位置と翻訳後のタンパク変異の状況を解析することにより臓器の形態形成異常と遺伝子のミューテーションの関連を明らかにする。

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公開日: 2015-05-28  

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