研究課題/領域番号 |
23380124
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平田 孝 京都大学, 農学研究科, 教授 (40273495)
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研究分担者 |
菅原 達也 京都大学, 農学研究科, 准教授 (70378818)
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キーワード | カロテノイド / 食品機能性 / 抗肥満作用 / 緑藻 / 血管新生 |
研究概要 |
本研究は、「特異」カロテノイド、シフォナキサンチンの抗肥満作用を明らかにし、機能性食品や医薬品としての有効性を探るとともに、シフォナキサンチンの特異構造に基づく新規作用機構を見いだすことを目的とした。そのために本年度は以下の項目を実施した。(1)シフォナキ・サンチンの調製法の検討:シフォナキサンチンを含む食用緑藻として.ミル(Codium fragile)とクビレズタ(Caulerpa lentillifera)について、シフォナキサンチン含有量を比較したところ、ミルの含有量が比較的高いことが分かった。また、アセトン抽出後、カラム精製をすることで、シフォナキサンチンを7%含む抽出物を得ることができた。(2)シフォナキサンチンの脂肪細胞分化抑制作用機構の検討:HPLCを用いて精製したシフォナキサンチンを試料として、マウス由来3T3-L1細胞の脂肪細胞への分化抑制作用にについて、フコキサンチンと比較して検討した。その結果、シフォナキサンチンはフコキサンチンよりも低濃度で脂肪細胞への分化を抑制した。さらに作用機構について明らかにするために、遺伝子発現変動を調べたところ、シフォナキサンチンはフコキサンチンと同様にPPARγの発現を分化誘導初期において抑制することが明らかとなった。(3)シフォナキサンチンの血管新生に与える影響:肥満とも関連する血管新生に与えるシフォナキサンチンの影響を調べた。その結果、血管内皮細胞のFGF-2経路を阻害ずることで、血管新生を抑制することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度4実施計画に準じて検討を進めた結果、次年度以降につながる成果が得られており、当初の計画どおりである。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通りに進め、次年度以降は動物実験による生体レベルでの評価や培養細胞を用いた詳細なメカニズムの解明を目指す。
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