研究課題/領域番号 |
23380127
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
柳村 俊介 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80183979)
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研究分担者 |
志賀 永一 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50235511)
東山 寛 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (60279502)
角田 毅 山形大学, 農学部, 准教授 (60355261)
坂下 明彦 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70170595)
森田 明 宮城大学, 食産業学部, 准教授 (70292795)
小内 純子 札幌学院大学, 社会情報学部, 教授 (80202000)
中村 勝則 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (80315605)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 農家家族 / 経営資産 / 高齢者福祉 / 農業者年金 / 農業構造政策 / 農業経営 / 農業者の引退行動 |
研究概要 |
調査活動は,平成23年度の北海道栗山町,旭川市東旭川地区,中札内村に加え,平成24年度は北海道大樹町,秋田県大仙市,北海道栗山町(補足調査)で実施した。また,韓国全羅北道でも関連する聞き取りを行った。さらに,平成25年度の調査の準備のために,山形県酒田市において機関調査を行い,農家調査の申し入れを行った。秋田県大仙市でも,平成24年度に調査を実施した山間地区とは別に平坦地区において調査を実施するため,調査候補地の選定を行った。 連携研究者を含めて全員が出席し,打ち合わせを行った(平成24年11月21日,北海道大学農学部)。また同日に,英国・プリマス大学および韓国・農村振興庁の研究者を招き,「農業経営の世代間継承に関する国際セミナー」を開催した。関係団体・機関からの一般参加者も加わり,70名が参加した。セミナー参加者を同行して,北海道栗沢町,美唄市,平取町を訪問し,新規農業参入支援等の取り組みについて聞き取りをした。実態認識を共有する点で有意義な取り組みであった。本テーマに関わる国際交流活動今後も継続する予定である。 平成23年度に実施した調査研究の成果をまとめた「研究成果報告書」を作成した。また,本研究に基づく個別論文も発表されている。 平成24年度から明篤館(熊本市)・館長の宮田喜代志氏,札幌学院大学・新田雅子准教授という高齢者福祉の専門家2名に連携研究者として参加を要請した。すでに調査活動,打ち合わせ,国際セミナー等に参加しており,研究領域の幅が広がることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の中心的な内容は北海道・東北における調査研究である。調査対象地は概ね決定し,予定していた調査活動の基本部分についてはすでに6割程度を終えた。 北海道については,水田作・畑作・酪農の各地区においてそれぞれ20~40戸の農家調査を1回は実施した。また,東北については,調査を実施したのは秋田県大仙市の山間集落のみだが,平成25年度に同市・平坦集落および山形県酒田市において調査を行う予定である。調査の内容は,①農家調査,②関係機関調査,③アンケート調査の3つだが,基準となる調査を先行的に実施している北海道栗山町では平成24年度に④集落調査を実施し,①~④の調査を全て実施した。今後は東北の新たな地区で①農家調査の実施するとともに,既に農家調査を行った地区において②,③,④の調査に取り組み,調査研究の厚みをつくることが課題となる。 平成24年度に国際セミナーを開催した。韓国および英国の研究者との研究交流は今後も維持していくが,「農業者引退計画」に関する海外調査が未着手なので,平成25年度,26年度に重点課題として取り組む予定である。農業者引退計画は北米で積極的な取り組みが行われているので,北米調査に向け,研究交流のパートナーを確保する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
研究の進行に特に遅れはないので,ほぼ当初の研究計画に沿って研究活動を進める予定である。 第1に,秋田県大仙市および山形県酒田市の2地区で農家調査を実施するとともに,北海道・東北のすでに農家調査を終えた地区において関係機関調査・アンケート調査・集落調査等の取り組みを進める。 第2に,海外の高齢農業者対策,特に農業者引退計画について米国ないしカナダでの調査を平成25年度に実施する。北米では,農業階梯に従い,一世代完結型の経営・生活計画を打ち立てる考え方があるが,伝統的な農家内部の世代継承が崩れつつある我が国農業においても,同様の農業者引退計画を導入することの意義が高まっていると考えられる。農場資産計画の一部として位置づけられている内容だが,その普及状況,指導体制,利用方法などについて把握する。 第3に,4年の研究計画の3年目に入るので,研究成果のとりくとめと公表の方法について検討する。最終的には学術書を公刊する考えだが,それに向けて以下の取り組みを行う。イ.毎年度,研究成果報告書を刊行する,ロ.部品となる各論について論文を執筆する,ハ.学会の分科会をもち他の研究者にも議論に参加してもらう。
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