コナラを想定して、農工大FM多摩丘陵(演習林)想定して、航空画像データをGISに取り込み、樹冠セグメンテーションを行った。特に、風による花粉飛散を想定した花粉結合を分布関数を用いて定式化した。これを5000個体程度の樹木を対象にしてCMLによる時空間ダイナミクスモデリングを行った。花粉の飛散に関する数値実験を行い、その評価をMoran'sIやCVなどを用いて行った。既存の実データによる解析結果と整合性のある結果が得られた。 理論モジュールにおいて重要なより現実的などんぐりの生活史を反映するために、従来には顧慮されて来なかった虫害や未熟堅果を考慮したRSBモデルを構築した。これらによって、より現実のデータおよび実際の林分施業を念頭に置いたモデルとすることが可能となった。 上記のダイナミクスモデルと並行して、ブナなミズナラを想定した回帰モデルを基盤として過去の堅果数だけではなく、気象合図を取り込んだモデルを構築した。これらによって、さらに精度の高いモデルを構築することができた。 熊のGPS軌跡データをマルチエージェントのGIS上に組み込み、新たなエージェントとした。さらに、目視によるみずならの豊凶データを地形情報上に取り込み、これらを補間することによってマッピングを行った。なお、自律飛行ヘリコプターにて撮影されるRGB画像から、樹幹5m程度に接近することにより、コナラなどの堅果を個別認識可能であることも確認した。これらの各モジュールを統合して、生態系管理のプラットフォームを構築した。
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