研究課題/領域番号 |
23380153
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
近藤 直 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20183353)
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研究分担者 |
小川 雄一 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20373285)
福島 護之 兵庫県立農林水産技術総合センター, 北部農業技術センター畜産部, 主幹 (60463395)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 肉牛 / マシンビジョン |
研究概要 |
平成23年度の計測に引き続き,平成24年度には主として第1期および第2期導入の牛の肥育中期後半から肥育後期の肥育牛と同時に第3期および第4期導入の牛の肥育中期前半までの肥育牛についてマシンビジョンシステムを用いて牛の瞳孔の色,収縮速度,瞳孔面積比率,光反射強度を計測した(京都大学)。さらに,血中VAの計測ならびに眼底カメラによる解析を進めると同時に管理を行った。その結果,過去2年の瞳孔の色に関する結果は類似しており,再現性が確認できた。また,血中VAが低下したものの中には,瞳孔の反応が確認できないものも観察された他,2頭の牛がストレス等により死亡した。光反射強度に関しても2年間の計測結果より明らかな傾向が確認できた。肥育後期にVAを下降させた後,上昇させた牛に関しては,マシンビジョンの結果からは色の回復が生じる傾向にあった。 さらに,肉牛へのストレスを軽減するため,実用化に向けて,簡易なカメラを餌箱あるいは水飲み箱に装着し,自動的に複数回取る装置を試作したところである。牛の識別には,RFIDでなく色のついた首輪をつけることを考えている。同時に,データベースに入力するためのデータ項目(体温,体重,気温,湿度,日射量等)の検討も始めている。国内学会および国際会議でも研究成果の発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
過去2年間の間に順調に試作装置の調整等がほぼ行えた。また,眼底検査用カメラも使えるようになり,目視での確認も進められるようになった。その結果,実際に輝板の状態も観察できるようになり,それらのデータも記録することが可能となっている。 ただ,それらの結果より,2年目の途中で実験に供試していた肉牛の瞳孔が全く収縮しなくなったものが現れたり,2頭にトラブル(死亡)するものが出てきた。その原因としては,過度のストレスによるものと考えられる。それらの肉牛のデータはそれ以降は収集することができないが,それ以外は順調である。それらのことより,自動計測を目指した装置の開発が急がれるが,こちらの方もほぼ予定通り,試作機を製作したところである。 以上より,現在までの達成度としてはおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
現在までに,肉牛の瞳孔計測実験においては過去2年間のデータがほぼ出そろい,今年の実験結果も含めてデータ収集を行った後,終了する予定である。現時点で,実用化に向けて新たな装置を試作したところで,現在調整を行っている。その装置と個体識別装置を肉牛に装着し,データが適切に収集できるか否かを確認することが25年度の最初の作業となる。 新たに試作した装置は自動的に画像入力するもので,対象とする牧場は兵庫県の和田山および京都府の京大付属牧場を想定して進めている。1,2か月内にはそれらの作業も行えると予想している。 その後,両方の実験データを整理し,検量線の作成等を行い,ビタミンAの推定の確からしさを検討した後,本研究のとりまとめを行う予定である。
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