研究課題
最終年度(平成25年度)の研究計画では、in vivo レベルで APOBEC2 が DNA 脱メチル化に関与するかを検討することである。昨年度の研究から、APOBEC2 欠損マウスから単離した筋芽細胞が野生型の筋芽細胞よりも早く分化することを明らかにした。もし、APOBEC2 が DNA 脱メチル化機構の一部を担っていれば、その欠損(DNA 脱メチル化機構の破綻)は筋分化の抑制に繋がるはずである(他の APOBEC ファミリー分子は代償的に発現していない)。この筋分化の促進という現象は、in vitro 環境で特異的に起こった可能性も考えられるため、in vivo でも同様に APOBEC2 欠損が筋分化を促進するか、検討することにした。野生型及び APOBEC2 欠損マウスの後肢筋にカーディオトキシンを注入し、筋損傷を誘導後、筋組織観察及び複数のマーカー分子の定量により筋再生を評価した。その結果、APOBEC2 欠損マウスの方が野生型マウスよりも早く筋再生が起こっていた。これは、in vitro 実験の結果と一致する。特に、APOBEC2 欠損マウスでは、筋損傷からの再生時に筋分化マーカーである myogenin の発現が増加していた。そこで次に、APOBEC2 欠損による myogenin の発現増加が直接的な影響か検討するため、培養筋芽細胞に対し、APOBEC2 特異的 siRNA を用いてノックダウン実験を行った。その結果、APOBEC2 をノックダウンした筋芽細胞では、 myogenin の発現が顕著に増加していた。以上の結果から、APOBEC2 欠損は、筋細胞の分化を促進する可能性が示唆された。一方で、APOBEC2 欠損マウスで筋疾患様の表現型と軽度の筋萎縮が確認されていることから、APOBEC2 は未知の経路により、筋分化や筋萎縮を制御している可能性が考えられる。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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