研究課題
基盤研究(B)
栄養膜細胞は桑実胚期に受精胚の最外層に現れ、胎盤を構成する受胎,妊娠成立の鍵となる細胞である。ウシでは単核と二核の細胞が特徴的で、分化に伴い各々特異的な物質を産生する。確立した栄養膜細胞系を用い分化機序について検証し、細胞外基質であるマトリゲル上の長期培養により効率的な分化誘導が可能なこと、分化・多核化に伴いレトロエレメント分子の発現が増加すること、多核化細胞はレトロエレメント由来のフェマトリン1と名付けた細胞融合分子を産生、母体側子宮内膜細胞と融合することを明らかにした。これらの結果は、ウシの受胎・胎盤形成機構にレトロエレメントが係わる直接的な根拠を提供する新しい知見である。
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