研究課題
本研究では、哺乳類のメスの卵胞発育と排卵を制御する性ステロイド(エストロゲン)のフィードバック機構のエピジェネティックメカニズムを明らかにした。Kiss1遺伝子によりコードされるキスペプチンは、視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)放出を直接刺激することにより、種を超えて哺乳類の生殖機能を最上位から制御する因子として、生殖科学分野でもっとも注目されるペプチドである。本研究課題では、キスペプチンニューロンがラットやマウスなど実験動物だけでなく、交尾排卵動物であるスンクスにおいても、2つの神経核すなわち前腹側室周囲核(AVPV)/視索前野(POA)および視床下部室傍核(ARC)に局在すること(PNAS 2011)を明らかにした。同ニューロンにエストロゲン受容体(ER)が共存し、AVPVおよびARCのキスペプチン発現へのエストロゲンの正と負のフィードバックを仲介すると考えられていたが、そのメカニズムは不明であった。本研究課題では、エストロジェンがキスペプチン遺伝子プロモータ領域のヒストンタンパクのアセチル化をAVPV領域では促進し、一方ARC領域では抑制することから、組織特異的なヒストンアセチル化を介したエピジェネティックなメカニズムが関与することを世界に先がけて明らかにした(PNAS, 2012)。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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