研究課題/領域番号 |
23380168
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
久保田 浩司 北里大学, 獣医学部, 教授 (80263094)
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研究分担者 |
垣内 一恵 北里大学, 獣医学部, 助教 (90509184)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 精原幹細胞 / 精子形成 / 自己複製 |
研究概要 |
精原幹細胞のコンディショナル発現系を構築するために、テトラサイクリン応答性転写因子(rtTA)を恒常的に全組織で発現するrtTAトランスジェニックマウスから精原幹細胞の長期培養系を確立した。このrtTA精原幹細胞へテトラサイクリン応答性プロモーター(tetOp)の下流に緑色蛍光タンパク質(GFP)を挿入したレポータープラスミドを遺伝子導入し、ドキシサイクリン(Dox)添加によるGFPの誘導発現を行った。しかし、その誘導効率ならびに発現量は著しく低いことが明らかとなった。テトラサイクリン誘導発現系は体性幹細胞において機能することが明らかにされているが、何らかの理由で精原幹細胞においては機能しない可能性が考えられた。 野生型精原幹細胞において高発現し、精子形成不全マウス由来精原幹細胞において発現が低下している3遺伝子についてさらに解析を進めた。まず、siRNAによる遺伝子ノックダウン法により精原幹細胞における機能解析を行ったところ、3遺伝子中の1遺伝子のノックダウンにより、分化誘導が引き起こされることが明らかとなった。また、この遺伝子の精原幹細胞における高発現は、精原幹細胞の自己複製を促す増殖因子であるGDNFによって維持されていることが明らかとなった。さらに、マウス精巣においても精原幹細胞において特異的に発現していることが免疫組織化学的解析により明らかとなった。今回明らかとなった以上の性質は、この遺伝子産物が精原幹細胞の未分化状態の維持に関わる制御因子であることを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の研究で抽出した遺伝子候補の中からさらに一つに絞り込むことができた点では順調に進んでいるが、当初予定したコンディショナル発現系が機能しない可能性があり、この点から予定よりやや遅れが認められるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
精原幹細胞の未分化状態の維持に関わる制御因子と考えられる遺伝子が抽出できたことから、強制発現系ならびにコンディショナル発現系を用いて本遺伝子が精原幹細胞の自己複製と分化を調節する分子スイッチとして機能するか検討する。しかし、rtTAトランスジェニックマウス由来精原幹細胞において、テトラサイクリン誘導発現系が機能しなかったことから、この原因検討を行う。rtTAトランスジェニックマウスにおける何らかの潜在的な異常も考えられるため、トランスジェニックマウスを用いずに野生型マウスから樹立した精原幹細胞に外来性にrtTAを過剰発現させることによりテトラサイクリン誘導発現系が機能し得るか検証する。
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