α2受容体作動薬デクスメデトミジンとキシラジンは,脊髄の運動及び痛覚反射電位を抑制した.α2A受容体機能的欠損D79Nマウスでは,両薬物の痛覚反射電位の抑制は減弱したが,運動反射電位の抑制は変わらなかった.α2作動薬の鎮痛効果にはα2A受容体が,運動反射の抑制にはそれ以外の機序が関与していると考えられる.脊髄神経活動に影響を与えるアデノシンは,アデノシン代謝酵素阻害薬によってアストロサイトから放出されること,またCa2+除去ではATPが放出されアデノシンに代謝されることが示された,一方,硫化水素はニューロンに発現する合成酵素CST/MPSTで産生され,神経活動に影響を与えることが示唆された.
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