研究課題/領域番号 |
23380184
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
前田 貞俊 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (50377694)
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研究分担者 |
神志那 弘明 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (50506847)
西藤 公司 東京農工大学, 農学研究科, 准教授 (20365422)
水野 拓也 山口大学, 農学部, 准教授 (90398826)
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キーワード | アレルギー・ぜんそく / 獣医学 / トランスレーショナルリサーチ / アトピー性皮膚炎 / ケラチノサイト |
研究概要 |
平成23年度の実績は以下の通りである。 1.ハウスダストマイト抗原によるケラチノサイト活性化メカニズムの解明 ハウスダストマイトの代表的なアレルゲンであるコナヒョウヒダニ(Der f、10μg/ml)抗原とともにイヌケラチノサイト細胞株(CPEK)を培養し、GM-CSタンパクの産生をELISAによって評価した。その結果、添加するDer f抗原量の増加に伴い、GM-CSFタンパクの産生量が増加した。さらに、このDer f抗原介在性のGM-CSFタンパクの産生は、システインプロテアーゼの添加によって完全に抑制されることが明らかとなった。これらの結果から、HDMによるケラチノサイトの活性化には、Der fに含まれるシステインプロテアーゼが関与していることが示された。 2.CPEKおよびランゲルハンス細胞を用いた三次元皮膚モデルの作製 CPEKをタイプ1コラーゲン上に播種し、液相下において8日間培養した。その後、細胞表面に存在する培養液を除去し、続く9日間は空気に暴露させた状態で培養した。その結果、培養開始8日目における顆粒層の形成および12日目における角層の形成を確認した。しかしながら、角層においては有核細胞が散在していたことから、角化は不完全な状態であった。さらに、分化状態を詳細に評価するために、サイトケラチン10およびサイトケラチン14に対する免疫染色を行った。その結果、有棘層および顆粒層の細胞で発現すべきサイトケラチン10の発現は全く認められず、三次元モデルの下層および中層において、サイトケラチン14の発現を認めるのみであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.ハウスダストマイト抗原によるケラチノサイト活性化メカニズムの解明において、PAR-2アンタゴニストを用いた抑制実験が実施できていないため。 2.三次元皮膚モデルが確立されていないため。
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今後の研究の推進方策 |
1.PAR-2特異的アンタゴニストを作製できなかった場合に備えて、受容体の下流に存在するシグナル伝達分子の阻害剤を用いた実験を行う。 2.3次元培養モデルに分化促進薬を添加し、有核細胞の存在しない角層の形成を試みる。
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