研究課題/領域番号 |
23380187
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大崎 満 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60168903)
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研究分担者 |
佐藤 寿樹 北海道大学, サステイナビリティ学教育研究センター, 客員研究員 (10532468)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | サトヤマ / エコロジカルフットプリント / 地域連携 / 都市-農村連携 / バイオマス / 物質循環 |
研究概要 |
北海道のサトヤマモデルへ向けた一つの指標となるエコロジカルフットプリントに関して、各市町村のデータを整理した。また、アジア型サトヤマモデルの構築のために、韓国のサトヤマ的取り組みについて調査した。今年度の研究成果の意義は、エコロジカルフットプリントという環境負荷指標をサトヤマ的な概念と結びつけることにより、都市と農山村の連携構造が明確化できた点にある。この成果は、アジア型サトヤマモデルへ展開するうえで、昨年度分析した食料、エネルギー自給ポテンシャルに各市町村の環境負荷・収容力の評価が加わり、より複合的な市町村のサトヤマ的評価が可能となった。具体的内容は以下のとおりである。 (1)北海道全体観の分析:北海道の各市町村のエコロジカルフットプリント試算 北海道における各市町村のエコロジカルフットプリントを試算した。エコロジカルフットプリントの計算は、人口、農地面積、森林面積などの基本的なデータにより算出される簡易的な手法を採用した。これにより、北海道の各市町村の概略的な環境負荷・収容力の関係が整理できた。 (2)アジア型サトヤマモデルへのアプローチ:韓国のサトヤマ調査 韓国におけるサトヤマ的な取組を現地調査した。対象地は、華川(ファチョン)郡と洪城(ホンソン)郡の2郡を選定した。各郡に対して、それぞれ低炭素物質循環モデル(山林-人共生モデル)と学校教育を通した有機農業化モデルと位置づけ、その取り組みを調査した。アジア型サトヤマモデルの基礎データを収集できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究においては、北海道の各市町村を対象としたエコロジカル・フットプリント指標に関する分析はほぼ完了し、進捗として進んでいると評価できる。また、アジア型モデル展開へのアプローチとして、韓国の調査を行い、この点は予定通りと評価できるが、今後インドネシアなどの調査に力を入れる必要がある。本年度は、インドネシアのサトヤマ的論文をまとめることもでき、全体としておおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
1.食料、エネルギー、カーボンフットプリント、エコロジカルフットプリントを指標とした地域連携、産業連携によるコベネフィットとトレードオフを分析する。 2.インドネシアなど東南アジアのサトヤマ的概念の調査および食料、エネルギー自給ポテンシャルの分析を行う。 3.アジア型サトヤマモデルを整理する。
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