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2012 年度 実績報告書

チャおよびイネにおける自然共生型の植物防除生産技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23380191
研究機関東京農工大学

研究代表者

木村 園子ドロテア  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60397015)

研究分担者 本林 隆  東京農工大学, 農学部, 講師 (20262230)
鈴木 創三  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30137898)
新井 祥穂  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (40345062)
伊澤 かんな (佐藤 かんな)  筑波大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (40456603)
大津 直子  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (40513437)
仲井 まどか  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60302907)
村瀬 香  名古屋市立大学, その他の研究科, 准教授 (60396819)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2015-03-31
キーワードお茶 / イネ / ダニ / 亜酸化窒素ガス / エコバランス評価 / 土壌断面 / 肥培管理法 / 窒素施肥
研究概要

本研究では、日本の主要作物であるイネとチャをモデルケースとし、有機・無農薬栽培の効果はなぜ不安定なのかという問題解決のために、植物の健康を主眼とした自然共生型の栽培技術の体系化を行っている。24年度では、カンザワハダニに着目し、ポット苗および圃場苗を用いてモデル実験を行った。チャ幼木の化学肥料ポット栽培においては、窒素施肥量の増加に伴って新葉の全窒素量は増加し、さらに葉の全窒素量の増加にともなって新葉に接種したカンザワハダニの発育は早まり、産卵数も増加した。一方、チャ幼木の窒素施肥量を等しくした堆肥あるいは化学肥料圃場栽培においては、堆肥区および化学肥料区ともに土壌の酸性化(pH低下)、および養分量の増加(EC増加)が認められたが、その変化量は化学肥料区の方が堆肥区よりも大きかった。新葉の全窒素量は全炭素量と同様に無施肥区<化学肥料区<堆肥区の順に増加、新葉に接種したカンザワハダニの発育日数も無施肥区<化学肥料区<堆肥区の順に長期化する傾向が認められた。これらの結果から、化学肥料では窒素施肥量の増加にともなう葉の全窒素量の増加によってカンザワハダニの発育期間は短くなり、産卵数も増加するが、堆肥では化学肥料に比べて新葉の窒素含量を増加させるものの、カンザワハダニの発育を抑制する作用が推察された。虫害については肥培管理法に加え、地形、圃場の位置等が重要であることが考えられた。よって、埼玉県狭山の茶産地を中心にして面的な調査を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度では、平成23年度に引き続き、現状調査のため研究対象地を訪れ、季節による変化を解析する予定であった。また、現地調査の結果を踏まえ実験系を作成し、栽培技術によって影響される植物の健康状態、害虫の発生状況、環境負荷の発生状況のメカニズム解明について検討を進めるために、モデル実験を行う予定であった。本年度では、現地調査の解析を踏まえ、カンザワハダニについてモデル実験を行うことができた。また現地圃場の採取土壌を用いて肥沃度に関する調査を行った。よって予定はおおむね達成できたと考えられる。一方、イネについては材料の生育不良により調査が十分行えなかった。この点については25年度の課題として取り組む道筋を立てている。

今後の研究の推進方策

本年度では、平成24年度の結果を踏まえ、現地における肥培管理方法、茶葉の品質および虫害の発生状況について面的な分布を把握することを目的とする。調査体調地としては埼玉県の狭山地方を中心とし、広く異なる茶園栽培農家に訪問アンケート調査を行い、土壌およびの採取ならびに害虫害の発生状況を調べる。採取した土壌については、肥沃度、温室効果ガス放出量を調査し、肥培管理方法と比較する。
イネについては異なる栽培方法が虫害への発生にどのように影響するかについて、品種また育苗方法の違いを用いて虫害への抵抗を調査する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 異なる窒素施用量による茶の葉成分の変化と害虫への影響2012

    • 著者名/発表者名
      北岡大知ほか
    • 学会等名
      日本有機農業学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121208-20121209
  • [学会発表] Influence of fertilizer application methods on greenhouse gas emission from tea field2012

    • 著者名/発表者名
      侯牡丹ほか
    • 学会等名
      日本有機農業学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121208-20121209
  • [学会発表] 苗質の違い(ポット苗・慣行マッ様相に与える影響について2012

    • 著者名/発表者名
      山口史哉ほかト苗)がイネミズゾウムシの被害
    • 学会等名
      日本有機農業学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121208-20121209
  • [学会発表] 肥培管理法が茶の品質および益害虫に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      大津直子ほか
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会
    • 発表場所
      鳥取
    • 年月日
      20120904-20120906

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公開日: 2015-05-28   更新日: 2015-06-16  

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