リン酸溶液に種子を浸漬してリン富化種子の作成を試みた。種・品種またpHでも異なるが、アンモニウム塩よりもカリウム・ナトリウム塩でのリン酸溶液で発芽阻害が起きにくかった。コムギでは、0.2~0.8MのNaH2PO4またはKH2PO4溶液で24時間浸漬する条件が良好であった。オオムギは1.2Mのリン酸溶液に浸漬しても発芽は阻害されず、NH4H2PO4も有望と思われた。ダイズでは浸漬後の再乾燥処理で発芽率が低下しやすく、0.2MのKH2PO4浸漬後、再乾燥時間を抑制するのが望ましい結果となった。このように処理したダイズ種子を用いて土耕栽培したところ、対照区の約1/3までリン施肥量を削減できた。
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