研究課題
光の強度および波長 (赤色あるいは昼光色) を感知した葉緑体遺伝子発現の制御に介在する機構を解明する。本年度は、以下の研究を実施した。① SIG1 をリン酸化するタンパク質キナーゼSOPK (SIG1 protein kinase) の解明:コムギ無細胞タンパク質発現系を用いた探索の結果、SOPK1 および SOPK2 候補遺伝子を見いだした。Arabidopsis Biological Resource Center (ABRC) からそれぞれの欠失変異 (KO) 系統を入手し、これらの系統における葉緑体遺伝子の発現を解析した。また、SOPK1 および SOPK2 の細胞内局在部位を緑色螢光タンパク質 (GFP) を用いて解明した。② In vivo 系を活用したリン酸化 SIG1 を脱リン酸化するタンパク質ホスファターゼ SOPH (SIG1 protein phosphatase) の同定:シロイヌナズナのタンパク質ホスファターゼ候補の遺伝子欠失変異系統として、ABRC には 142 種類の遺伝子に対する系統が登録されている。これらのうち、119 種類の遺伝子産物は、葉緑体への局在の可能性が予測される。SOPH 遺伝子欠失変異系統は、強白色光の照射に応答できず、PSI 形成抑制が解除されないことが想定される。これを指標にして、SOPH 遺伝子欠失変異系統を2候補選抜した。③ 栽培植物種への応用:チャは栽培時の遮光により玉露茶あるいは白葉化茶になる。独自に構築したチャ葉 EST データベースに基づいて作製した 49,256 のコンティグ (世界最高水準の網羅率) からなる eArray システム (Agilent Technologies) を活用した。白葉化チャ葉における遺伝子発現を包括的に解析し、光感知葉緑体遺伝子発現機構の解明の糸口とした。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of “The 5th International Conference on O-CHA (Tea) Culture and Science, ICOS 2013"
巻: 2013 ページ: PR-P-34
http://sfns.u-shizuoka-ken.ac.jp/pctech/