超原子価臭素の極めて高い超脱離能を利用して、ジフルオロブロマンを用いたBaeyer-Villiger(BV)酸化の全く新しい方法論を提案することに成功した。本方法により、これまでは不可能であるとされていた脂肪族一級アルデヒドや芳香族アルデヒドのBV酸化が可能となった。また、超原子価臭素が引き起こすBV酸化が立体保持で進行することを証明すると共に、本BV酸化におけるアルキル基の転位が、アルキル基の電子供与能によって支配されることを明らかにした。同時に、芳香族アルデヒドを用いてその置換基効果を検討し、反応機構を明らかにした。更に、分子軌道計算を実施して、反応機構の検証を行った。
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