研究課題
本研究では、核酸医薬を含む機能性核酸の疾患治療効果の飛躍的向上を目的に、多足型構造を形成する核酸-polypodna(ポリポドナ)-を設計・開発するとともに、これを連結することで新規デンドリマー型核酸ナノDDSを創出する。最終年度である25年度は、前年度までに開発したCpG DNA含有polypodnaを用いて、デンドリマー型核酸ナノ粒子の開発を試みた。Polypodnaの5’突出部分の塩基数を変更したところ、塩基数12までは塩基数の増加に伴い形成効率が上昇する傾向が認められたが、それ以上の延長による影響はほとんどなかった。そこで、塩基数12のpolypodnaを用いて、種々のデンドリマー型核酸ナノ粒子を作製した。まず、足(分岐)数3のtripodnaを用いて第1~第3世代のDNAデンドリマーを作製した。原子間力顕微鏡による観察の結果、いずれの場合にも設計通りのデンドリマー形状体の構築が認められた。しかしながら、電気泳動による定量的解析の結果、第2世代以上のDNAデンドリマーの多くは不完全な構造体であることも示唆された。そこで、足数3、4、6のpolypodnaを用いて、様々な構造の第一世代DNAデンドリマーを作製した。その結果、デンドリマーの外殻部分がtripodnaの場合には形成効率が高かったのに対し、外殻に配置するpolypodnaの足数が増加するにつれて形成効率が低下した。マウスマクロファージ様RAW264.7細胞を用いて、細胞取り込みとサイトカイン産生を評価したところ、両者には正の相関が認められ、中心がhexapodnaで外殻がtripodnaで形成されるDNAデンドリマーで最大値を示した。以上より、免疫細胞への効率的な核酸医薬のデリバリーに有効なデンドリマー型核酸ナノDDSの創出に成功した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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