研究課題
我々は、神経軸索に局在し、軸索の形成の調節に重要な役割を果たしているRasファミリー低分子量Gタンパク質の1つ、R-Rasの神経機能を明らかにするため、R-Rasに結合し、下流で働くエフェクター分子を酵母two-hybrid法でスクリーニングし、アクチン結合分子であるafadinを同定した。そして、R-Rasによる軸索形成の調節作用におけるafadinの役割を解析した結果、afadinはR-Rasによる軸索伸長作用ではなく、R-Rasによる軸索の分枝化に必要であることがわかった。また、R-Rasはafadinを細胞膜にリクルートすることにより分枝化の制御を行い、この作用には、afadinのアクチンへの結合によるアクチン骨格の再構築が必要であることを明らかにした。我々は、以前、R-Rasの下流のエフェクターとして、PI3キナーゼ及びPTENを同定し、R-RasがPIP3リン脂質代謝系の制御を介した、微小管伸長の調節により、軸索の伸長を行っていることを明らかにしてきたが、今回の研究により、R-Rasが異なるエフェクター系を用いてアクチン骨格系、微小管系2つの細胞骨格を再構築を制御することにより、軸索の伸長と分枝化を調節していることを明らかにした。一方、我々は神経伝達に必須な形態である神経軸索上のスパイン形成において、Rhoファミリー低分子量Gタンパク質の1つ、Racの活性化因子、Dock4がスパインに局在し、アクチン骨格調節分子のコータクチンに結合し、スパイン形成を制御していることを明らかにした。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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