研究課題
多くの非興奮性細胞(内皮細胞、リンパ球、軟骨細胞、上皮細胞など)において、刺激応答の開始となる細胞内Ca2+濃度([Ca2+]i)上昇を正帰還的に制御する機構が普遍的に存在し、Ca2+活性化K+(KCa)チャネルやストア作動性Ca2+(SOC)チャネルがその正帰還Ca2+制御機構の中心的役割を担う分子として機能するスキームを実証するために以下の実験を行い、成果を得た。(1)脳血管内皮細胞において、正帰還Ca2+制御機構の主要なCa2+流入経路として、SOCチャネルの1つであるCa2+遊離活性化Ca2+(CRAC)チャネルが重要であることをこれまでに明らかにしてきた。CRACチャネルの構成因子であるOrai1、Orai2、Stim1をノックダウンしたところ細胞増殖が有意に抑制された。また、Orai1とは異なり、Orai2のmRNA発現量は細胞周期依存的に変化した。更にOrai2がOrai1の機能を制御することでストア作動性Ca2+流入(SOCE)を修飾することも明らかになった。(2)気道から吸引した異物の排出(気道クリアランス)に関与する上皮系細胞(気道繊毛細胞)において、K+チャネル活性が正帰還Ca2+制御機構に関与するか調べた。その結果、ATP感受性K+チャネル(KATP)が細胞膜を過分極させることで、細胞膜上のCa2+チャネルからのCa2+流入を促進し、繊毛運動を増強させて気道クリアランスを亢進させることが判明した。この結果は、KATP開口薬が新規の去痰薬として有用である可能性を示唆している。(3)軟骨細胞から単離した新規の大コンダクタンスKCa(BK)チャネルのスプライスバリアント体の生理的意義を調べた。その結果、野生型のBKチャネルとヘテロ4量体を形成し、その細胞膜移行を抑制することで、BKチャネル機能を抑制することが明らかになった。また、このバリアント体は軟骨のみならず全身に広く分布することも明らかにした。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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