研究課題/領域番号 |
23390036
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
松永 民秀 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40209581)
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研究分担者 |
大森 栄 信州大学, 医学部付属病院, 教授 (70169069)
成松 鎮雄 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (20113037)
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キーワード | 胚盤胞補完法 / サルiPS細胞 / 異種動物間キメラ / FAH / 薬物動態 / カニクイザル / マーモセット / ES細胞 |
研究概要 |
カニクイザルの線維芽細胞は、皮膚の一部を採取し、接着培養した。マーモセットの線維芽細胞は、新生児脳由来凍結細胞を増殖した。ヒト線維芽細胞は、皮膚及び肝臓の非実質細胞を接着培養した。ヒト胎児肺線維芽細胞は、細胞バンクより入手した。いずれの細胞も増殖後、一旦液体窒素中に保存した。ヒト線維芽細胞及び胎児肺線維芽細胞からのiPS細胞樹立は、ヒトOCT3/4、SOX2、KLF4、c-MYC遺伝子導入用レトロウイルスを用いて行った。細胞に4因子を導入10日後にフィーダー細胞上に播き直した。未分化ヒトiPS細胞に特徴的な形態を有するコロニーが出現後、顕微鏡下コロニーを単離し、クローン化した。単離したクローンは、アルカリフォスファターゼ染色あるいは未分化マーカーのmRNA発現が上昇していることを確認することでiPS細胞様の特徴を確認した。さらに、胚様体形成から3胚葉への分化をmRNA発現にて確認することで、多能性を確認した。また、肝細胞への分化能も確認した。マーモセットiPS細胞の樹立は、ヒトと同様に行っているところである。カニクイザルは、胚性幹細胞(ES)細胞を信州大学から提供頂き、今後使用するに十分な量を一旦液体窒素中に保存した。FAHの欠損動物は4'-HPPD(4-hydroxyphenylpyruvate dioxygenase)阻害剤である2-(2-nitro-4-fluoromethylbenzoyl)-1,3-cyclohexanedione(NTBC)を投与しなければ新生仔期に肝機能不全から死に至ることが知られているため、NTBCを投与する必要がある。しかし、NTBCは非常に高価であり、催奇形性や遺伝毒性も有している。そこで、テフリルトリオンを代替として使用することが考え、原末を製造元より入手した。今後、その有用性の評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は、研究計画の通りおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
FAR欠損動物として、FARノックアウトラットの作成を進めているところであるが、作成に時間がかかることが予想されることから、並行してFARノックアウトマウスの入手について交渉を行っているところである。その他については、研究がおおむね順調に進展していることから、研究計画の変更および研究を遂行する上での問題点で特記すべきことはない。
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