研究課題/領域番号 |
23390036
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
松永 民秀 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40209581)
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研究分担者 |
成松 鎮雄 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20113037)
大森 栄 信州大学, 医学部附属病院, 教授 (70169069)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 胚盤胞補完法 / サルiPS細胞 / 異種動物間キメラ / ES細胞 / 薬物動態 / カニクイザル / マーモセット |
研究概要 |
胚盤胞補完法を用いて100%サル肝臓を持つマウス-サル異種動物間キメラを作出することを最終目標とする。肝移植患者の肝臓及び皮膚より増殖した肝非実質細胞及び線維芽細胞にレトロウイルスを用いてヒトOCT3/4、SOX2、KLF4、c-MYCを遺伝子導入した。導入10日後にフィーダー細胞上に播き直し、未分化ヒトiPS細胞に特徴的な形態を有するコロニー出現後、コロニーを単離し、肝非実質細胞より5株、皮膚線維芽細胞より3株クローン化した。いずれも3胚葉への分化等から多能性を確認した。なお、ヒトiPS細胞の樹立は倫理委員会の承認内容を遵守して行った。マーモセットiPS細胞は皮膚の線維芽細胞にヒトOCT3/4、SOX2、KLF4、l-MYC、Nanog、Glis1遺伝子導入用レトロウイルスあるいはエピゾーマルベクターを用いて電気穿孔法にて遺伝子を導入する方法にて行った。形態的にヒトiPS細胞様のコロニーが出現したが、現時点では単離にまで至っていない。これまでの霊長類ES及びiPS細胞はプライム型であり、キメラ作成にはナイーブ型にする必要がある。そこで、ヒトiPS細胞7株とカニクイザルES細胞1株をナイーブ化するためForskolin、PD0325901、CHIR99021、LIF、FPAC等を添加したDMEM/F12培地にて培養した。その結果、ナイーブ型に特徴的なドーム状のコロニーに形態が変化した。また、未分化マーカーの発現がプライム型と比較して顕著に高く、3胚葉への分化能も確認できた。キメラ作成に関しては、マウス胚盤胞にGPF標識マウスES細胞移植による技術確認を行った。また、ヒトiPS細胞由来肝細胞をuPA/SCIDに移植したところ、移植後4週目までに血中にヒトアルブミンは検出されなかったが、マウスの肝臓とは異なる組織の形成が認められた。現在、その切片を作成し、解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は、研究計画の通りおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
FAR欠損動物として、FARノックアウトラットの作成を進めているところであるが、作成に時間がかかることが予想されることから、並行してFARノックアウトマウスの入手について交渉を行っているところである。その他については、研究がおおむね順調に進展していることから、研究計画の変更および研究を遂行する上での問題点で特記すべきことはない。
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