研究課題
オートファゴソーム膜に局在するオートファジー関連遺伝子産物LC3にはAとBのサブタイプ(Cはヒトでのみ発現)が知られているが、その機能については十分に解明されていない。本研究では、正常と病的状態でのLC3AとBの役割を解明することを目的とした。そこで、LC3AとLC3Bのノックアウトマウスを作製し、さらに両者を交配することでLC3AとLC3Bの両者を欠損するダブルノックアウトマウスを作製した。これらのノックアウトマウスは野生型と比べて顕著な表現型を示さなかった。我々はこれまでにRNAiを用いた研究を行い、LC3が脂肪滴の形成に関与していることを報告した。今回、LC3のノックアウトマウスに脂肪含量32%の高脂肪食を与えて、LC3が脂肪代謝に関与するかどうか調べた。LC3ダブルノックアウトマウスは普通食を与えても野生型と顕著な差は認められなかったが、高脂肪食を与えると野生型と比べて体重増加率が低いことが分かった。さらに、長期間高脂肪食を与え続けると、野生型マウスの腎臓に脂肪蓄積が認められたが、LC3AとBのダブルノックアウトマウスでは脂肪蓄積があまり認められなかった。さらに、LC3AとBそれぞれの役割を解明するために、両者を識別しうるモノクローナル抗体の作製を行った。ELISAで良好な結果を示した複数のクローンを取得したが、組織細胞化学で使用可能なクローンを得るには至っていない。現在継続してスクリーニングを行っている。
3: やや遅れている
免疫組織化学で使用可能なモノクローナル抗体の取得に至っていないから。現在、虚血実験に間に合うだけのマウスが確保され、実験を開始している。
ELISAによるスクリーニングをやめ、ノックアウトマウスの組織を利用したスクリーニングを行い、良好なモノクローナル抗体の取得を行う。さらに、高脂肪食の長期負荷によう腎臓の脂肪代謝について研究を進める。低酸素脳虚血実験、詳細な神経系の形態解析を実施する。
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