研究課題/領域番号 |
23390042
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松岡 達 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00263096)
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研究分担者 |
竹内 綾子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00378704)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ミトコンドリア / カルシウム / トランスポーター / 心筋細胞 / リンパ球 |
研究概要 |
培養Bリンパ球(A20)において、ミトコンドリアNa-Ca交換体遺伝子(NCLX)をsiRNAによりノックダウンすると、ミトコンドリアCa排出が著明に抑制されるのみならず、小胞体Ca含量減少、小胞体Caポンプ(SERCA)によるCa取り込みの減少がおこり、その結果、抗IgM抗体による細胞膜抗原受容体刺激で誘発される小胞体Ca放出は著明に抑制された。小胞体Ca枯渇により誘発される細胞膜Ca流入(Store-operated Ca entry)をNCLXヘテロノックアウトDT40細胞で調べたところ、Ca流入にともなう細胞質Ca増加は著明に抑制された。しかし、NCLXノックアウトによる細胞質Ca増加の初速度低下はわずかであるので、NCLXヘテロノックアウトにより相当量のCaがミトコンドリアにトラップされるために、細胞質Ca増加が抑制されると考えられた。 自動能を有する興奮性細胞である株化培養心筋細胞(HL-1細胞)を用いて、NCLXの機能解析を進めた。NCLXのsiRNAによるノックダウンは、細胞内Caトランジエントの大きなに著明な変化を与えないが、細胞収縮の周期を長くした。この陰性変時作用は、細胞質Caトランジエント立ち上がり速度の減少と活動電位の立ち上がりの遅延に起因すると推測された。また、カフェインを用いて測定した筋小胞体Ca含量は減少し、Ca再取り込みが遅延していた。HL-1細胞の興奮―収縮連関の数理モデルを構築し解析したところ、HL-1細胞は筋小胞体からのCaの自発的な放出により拍動ペースが制御される“Ca クロック”メカニズムによる駆動することが判明した。NCLXはHL-1細胞の“Ca クロック”に関与すると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非興奮性細胞であるリンパ球及び興奮性細胞である心筋細胞におけるNCLXの機能解析及び数理モデル解析ともに、ほぼ計画通りに遂行することができた。また、成果の論文発表、学会発表ともに十分に行うことができたため、「おおむね順調に進展している。」と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画がほぼ遂行できているので、現時点では研究計画の変更はしない。
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