研究課題
1) V-ATPaseによるH+チャネル内胞化の検討. NH4Clを用いた実験から、細胞内pHが6.5以上に5分以上曝されるとH+チャネルの内胞化が始まりpH 7.5前後まで増強することが明らかになった。細胞内pH(SNARF)と膜の蛍光マーカー(FM1-43)を用い、破骨細胞の細胞膜に存在するH+ポンプ(V-ATPase)による細胞内pH上昇がendocytosisを促進させる事を確認した。更にH+チャネル頻回刺激による細胞内pH上昇でもチャネルの内胞化を生じた。外因性、内在性いずれのpH上昇刺激によるendocytosis促進もdynaminに依存した。同様の現象はマイクログリアでも起こったが、H+チャネル遺伝子を発現させたCOS細胞では見られなかった。以上の結果より、破骨細胞やマイクログリアでは生理的な細胞内pHでH+チャネルの約40%は細胞内プールに存在し、刺激に応答し細胞膜に移動する事が推測された。これはH+チャネル活性の新しい調節メカニズムである。2) 骨代替基質の開発. 魚燐上に分化させた破骨細胞でV-ATPaseとH+チャネルの干渉はガラス面に分化させた場合に比較し少なかった。研究を続行し干渉の抑止機構・機能的距離を解明したい。3) phagosomeにおけるV-ATPaseとH+チャネルの干渉/ H+チャネル分子のH+センサー機能. H+電流と蛍光の同時測定のためPhotometry systemを設置した。現在、H+チャネル活性と蛍光マーカー(FITC)をつけたzymosan貪食胞のpHの同時記録、H+チャネル逆転電位による細胞膜近傍pHとSNARFによる細胞内バルクpHの同時記録の予備実験を行っており、細胞内pH動態解析の新規手法として確立することを目指している。成果の一部は論文2報および国内外の学会・研究会(計7回)で発表した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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