研究課題/領域番号 |
23390044
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
矢田 俊彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60166527)
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研究分担者 |
中田 正範 自治医科大学, 医学部, 准教授 (10305120)
前島 裕子 自治医科大学, 医学部, 助教 (40438669)
岩崎 有作 自治医科大学, 医学部, 助教 (60528420)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | Nesfatin-1 / オキシトシン / 摂食 / 概日リズム / 迷走神経 |
研究概要 |
1.PVN Nesfリズムによる摂食調節:正常WistarラットにおいてAAVウイルスベクターでNesf shRNAをPVNに局所投与してNesf mRNA発現を低下させると摂食が亢進することを見出した。 2.Nesf、Oxtの上流、下流伝達系:(1)満腹物質のレプチンがPVN Nesfニューロンを直接活性化することを見出した。(2)Oxtニューロン軸索突起が弓状核(ARC)の POMCニューロン細胞体に近接することを形態学的に見出した。定説を塗り替える、二次中枢PVNから一次中枢ARCへのシグナル伝達の存在が示唆された。 3.末梢投与Oxtの効果の雌雄差と中枢伝達経路:(1) Oxtの末梢投与による摂食抑制作用が雌マウスでは雄マウスに比べて弱いことを見出した。(2) 末梢Oxtによる求心性迷走神経Nodose Ganglion ニューロン活性化をパッチクランプ法によっても証明し、活性化の濃度依存性の詳細をCa2+イメージングにより明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究体制は整備されており、研究の主目的であるPVN Nesfリズムによる摂食調節およびNesf、Oxtの上流/下流伝達系の解析は当初の計画通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)ZF肥満ラットで、NesfmRNA発現が低下している時刻にNesfを投与してリズムを修復し、摂食リズム障害と過食が改善するかを検討する。(2)神経毒素共役型Oxtを脳室内投与してARC POMCニューロンが脱落するか、またOxtが単離ARC POMCニューロンを活性化するかをCa2+イメージングで調べる。 (3)レプチンの作用がPVN Nesfを介するかを明らかにするために、Nesf shRNAを用いてPVN Nesf mRNA発現を低下させたマウスにレプチンを脳室内投与し、レプチンの摂食・代謝に対する効果が如何に修飾されるかを調べる。(4)Oxtの末梢投与の糖代謝への効果の雌雄差を明らかにする。(5)求心性迷走神経ニューロン活性化がOxtの摂食抑制作用を仲介するかを明らかにするために、Oxt摂食抑制作用に対する求心性迷走神経遮断の影響を調べる。
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