研究課題
1 特異的アンタゴニストの探索生来LPAに反応しないB103ラット神経芽腫細胞にヒトLPA4を安定発現させた株を使って、アンタゴニスト活性を持つ化合物をスクリーニングした。化合物は東京大学創薬オープンイベーションセンター保有の化合物ライブラリーを利用した。LPA4-Gq経路による細胞内カルシウム濃度上昇反応への阻害効果を指標とした評価を用いて、約1万種類の化合物の中からアンタゴニストとして有望な化合物を複数個得ることができた。引き続き東京大学創薬オープンイベーションセンターと協力して、合成展開によって化合物の構造の最適化を進め、成果を2型糖尿病治療薬の創薬に役立ていく予定である。2 LPA4の細胞内シグナルの解析LPA4-WTマウスとLPA4-KOマウスの内臓脂肪組織由来のRNAを用いてマイクロアレイ解析を行ったところ、ミトコンドリア関連パスウェイが全体的にKOマウスで上昇していることが示された。また、脂肪細胞に分化させたC3H10T1/2細胞をserum starvation後にLPA4のアゴニストであるBrP-LPAで刺激すると、ミトコンドリアバイオジェネシス関連遺伝子の発現が低下する一方、脂肪組織の繊維化に関わる遺伝子の発現が上昇することが観察された。この細胞をsiRNAや阻害剤で処理することにより、BrP-LPAによる上記の遺伝子発現変化が三量体Gタンパク質G12/13、G12/13によって活性化される低分子量Gタンパク質Rho、そしてRhoによって活性化されるRhoキナーゼを介していることが示された。LPA4-KOマウスではミトコンドリアのバイオジェネシスが亢進することで脂肪細胞の分化が進むとともに、脂肪組織の繊維化が抑制されることも相まって、高脂肪食餌下での炎症が抑制されるのであろう。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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FASEB J
巻: 28 ページ: 871-879
10.1096/fj.13-233106
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http://www.med.akita-u.ac.jp/~bougyo/Home.html