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2013 年度 実績報告書

ホスホリパーゼCεの炎症・発癌促進機能に関わる新規シグナル伝達系の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23390071
研究機関神戸大学

研究代表者

片岡 徹  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40144472)

研究分担者 島 扶美  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60335445)
枝松 裕紀  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70335438)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワードホスホリパーゼC / シグナル伝達 / 炎症 / 発癌 / サイトカイン / Ras蛋白質 / 低分子量G蛋白質 / 表皮角化細胞
研究概要

1、ホスホリパーゼCε(PLCε)依存性の炎症性サイトカイン発現制御機構の解析のため、ヒト表皮角化細胞株PHK16-0bにおける腫瘍壊死因子α(TNFα)刺激によるケモカインCCL2(MCP-1)の発現誘導がPLCε特異的siRNAにより阻害される系を用いた解析を進めた。ヒトCCL2遺伝子プロモーター領域をルシフェラーゼ・レポーター・プラスミドにクローン化し、その部分欠損変異体を作製して検討した結果、NF-κB結合領域がTNFα刺激によるCCL2遺伝子活性化に必須であることが示唆された。また、ヒト結腸癌由来Caco-2細胞でのPLCε特異的siRNAによるノックダウン実験から、TNFα刺激によるNF-κBの持続的な核移行にPLCεが関与することを見出した。さらに、この機能に関わるPLCεの持続的な活性化にはTNFα刺激により細胞が分泌する液性因子を介したオートクラインな機構が関与することを、液性因子受容体アンタゴニストを用いた解析から明らかにした。
2、PLCεの炎症と発がんへの関与については、PLCεノックアウト(KO)マウスを用いたデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)飲水による潰瘍性大腸炎モデルとApcMin遺伝子背景での大腸腺腫形成モデルを用いて解析した。その結果、潰瘍性大腸炎モデルでは、PLCεKOマウスでの炎症反応の低下を病理学的解析により証明した。特に、PLCεKOマウスの腸管上皮細胞におけるケモカインCxcl2等の発現低下を免疫組織染色により示した。大腸腺腫形成モデルでは、PLCεKOマウスで腫瘍形成とその悪性化の抑制が見られた。このPLCεKOの腫瘍形成抑制効果は、DSS飲水により腸炎が誘導される領域で特に顕著に認められたことから、PLCεが炎症性サイトカインの産生誘導を介して炎症を促進し、それを通して大腸腺腫形成に関与するという基本メカニズムが強く示唆された。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Critical function of RA-GEF-2/Rapgef6, a guanine nucleotide exchange factor for Rap1, in mouse spermatogenesis2014

    • 著者名/発表者名
      Okada, K., Miyake, H., Yamaguchi, K., Chiba, K., Maeta, K., Bilasy, S. A., Edamatsu, H., Kataoka, T., and Fujisawa, M
    • 雑誌名

      Biochem. Biophys. Res. Comm

      巻: 445 ページ: 89-94

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2014.01.149

    • 査読あり
  • [学会発表] rasがん遺伝子産物の分子標的薬のインシリコ創薬

    • 著者名/発表者名
      片岡 徹
    • 学会等名
      平成25年度臨床研究総合センターシンポジウム~がん治療最前線:ゲノム創薬と免疫治療~
    • 発表場所
      千葉県がんセンター
    • 招待講演
  • [学会発表] Rasシグナル伝達系を標的とした抗がん剤の開発

    • 著者名/発表者名
      片岡 徹
    • 学会等名
      大阪大学産学連携プロジェクトMEET 医学研究コロキウム・1-がんの分子標的治療を考える-
    • 発表場所
      大阪大学大学院医学研究科
    • 招待講演
  • [学会発表] 気道炎症におけるホスホリパーゼCεの役割

    • 著者名/発表者名
      永野 達也、枝松 裕紀、小林 和幸、西村 善博、片岡 徹
    • 学会等名
      第4回IAA (Innovative Asthma Association) 学術集会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
  • [図書] The Enzymes Vol. 34 Inhibitors of the Ras superfamily G-proteins, Part B2013

    • 著者名/発表者名
      Fumi Shima, Yoko Yoshikawa, Shigeyuki Matsunoto, Tohru Kataoka
    • 総ページ数
      1-23
    • 出版者
      Elsevier Inc.
  • [図書] がん基盤生物学-革新的シーズ育成に向けて-2013

    • 著者名/発表者名
      枝松裕紀、片岡徹
    • 総ページ数
      142-146
    • 出版者
      南山堂
  • [備考] 神戸大学大学院医学研究科分子生物学分野ホームページ

    • URL

      http://www.med.kobe-u.ac.jp/molbiol/index.html

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公開日: 2015-05-28  

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