研究課題/領域番号 |
23390077
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小崎 健一 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (50270715)
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研究分担者 |
稲澤 譲治 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30193551)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 癌 / microRNA / 癌抑制遺伝子 / DNAメチル化異常 / 分子腫瘍学 / 治療ゲノム学 |
研究概要 |
本研究課題の目的は、ゲノム情報発現系の内在性制御機序を担う新たな機能性低分子RNAとして注目されているmicroRNA (miRNA)に着目し、合成二本鎖miRNA (ds-miRNA)ライブラリーを用いた機能的スクリーニングとCpG islandにおける腫瘍特異的DNA過剰メチル化を指標とした網羅的DNAメチル化スクリーニングを基盤とする統合的解析(Functional genomics)を進め、癌治療体系における新たなRNA創薬に寄与する癌抑制遺伝子型miRNAとその標的分子を単離・同定し、さらには、癌抑制遺伝子型miRNAよる癌の新規治療法の開発をも試みる事である。 これまでに「核酸医薬としての臨床応用を視野に入れた癌抑制遺伝子型miRNAの探索(実験計画-1と2)」と「その統合的解析アプローチ(実験計画-3)」を遅滞無く進め、「実験計画-1: 合成ds-RNAライブラリーによる機能的スクリーニング」ではmiR-218とmiR-152を同定し、既に昨年度、それらの研究成果を報告した(Uesugi, et al. Cancer Res, 2011; Tsuruta, et al. Cancer Res, 2011)。今年度は、「実験計画-2: 網羅的DNAメチル化スクリーニング」の研究成果としてmiR-596を同定し、その詳細な解析結果等を報告する事ができた(Endo, et al. Carcinogenesis, 2013)。さらに、「実験計画-4: in vivo治療実験」に関しても、miR-152とmiR-596について癌抑制遺伝子型miRNAの核酸医薬としての有効性をも実証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題による成果として、当該領域の英文誌に昨年度は論文 2編を(Uesugi, et al. Cancer Res., 2011; Tsuruta, et al. Cancer Res., 2011)、また、今年度も論文 1編を発表した(Endo, et al. Carcinogenesis, 2013)。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である次年度は、核酸医薬としての新規癌治療法の開発や個別化医療の実現などに大きく貢献すべく、現在、上記の実験計画-1等での研究成果を基盤として進めつつある「癌EMT抑制性miRNAの機能的探索」を遂行し、研究期間内での完了を目指す。
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