研究課題/領域番号 |
23390081
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所) |
研究代表者 |
和田 芳直 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 研究所・代謝部門, 所長兼部長 (00250340)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 糖鎖 / 質量分析 / 先天性代謝異常症 / 糖タンパク / プロテオーム / 診断 |
研究概要 |
先天性グリコシル化異常症CDGのスクリーニングをO型糖鎖に広げるため、血清1micro-Lを使用し、1時間以内に完了する方法を開発して論文発表した。そして、この方法も組み込んだ新しいワークフローを用いて原因不明の精神運動発達遅滞患者におけるCDGの検索を継続し、全国からの診断依頼のあった77名について、N型(トランスフェリン)糖鎖とO型(apoCIIIのムチン型)糖鎖の解析を行ったが、この年度については新たな患者の発見はなかった。N型糖鎖解析のための糖ペプチド分析法については糖鎖プロセッシング異常症患者に関する欧州複数機関からの分析依頼に対応し、その成果は論文投稿中である。また、IgAのO型糖鎖に関する共同研究については、IgA腎症患者におけるIgAの低グリコシル化は扁桃摘出で改善することを報告した。 さらに、筋ジストロフィーに関係するジストログリカンのO型糖鎖構造解析に関する共同研究では、著しい陰性荷電をもつ糖鎖構造の解析困難に直面し、糖ペプチドからのトップダウン的なアプローチに加え、糖鎖を加水分解して得られる単糖の組成分析すなわちボトムアップ法を組み合わせた方法で対応を行った。 骨格異常患者におけるグリコサミノグリカン合成異常の検索については、コンドロイチナーゼ処理によって得られる2糖の分析法の開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
糖ペプチド分析について国内外から分析依頼を受け、そのことで間接的ではあるが、世界中で新しい糖鎖合成異常症と病態に伴う糖鎖構造変化に関する発見を支えている。直接的には技術の普及が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
グリコサミノグリカン合成障害を起点に糖鎖合成異常症に新しい視点をもたらす。
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