研究課題
本研究では、①胎盤における14番染色体インプリンティング遺伝子の機能解明と胎盤形成異常症の原因解明、②子宮内胎児発育遅延、出生後成長障害患者における14番染色体インプリンティング異常の解析、③14番染色体インプリンティング遺伝子発現調節機構の解明などを目的に研究を進めた。①③については、14番染色体父親性ダイソミー症候群と胎児診断された症例の新鮮凍結胎盤を用いて14番染色体インプリンティング遺伝子の発現を検討した。その結果、胎盤過形成を示す本疾患患者胎盤においては、父性発現遺伝子RTL1の発現増加が胎盤過形成に最も関連していること、父性発現DIO3はヒト胎盤においてインプリントされていないこと、父性発現遺伝子DLK1, RTL1は胎盤絨毛の血管内皮細胞および周皮細胞に発現していることがはじめて確認された。14番染色体父親性ダイソミー症候群患者胎盤では内皮細胞、周皮細胞の腫脹が観察され、DLK1, RTL1の発現増加が本疾患の胎盤過形成と明確に関連していることを示した。②については、出生前後の成長障害を示す原因不明のSilver-Russell症候群表現型症例約90名において14番染色体インプリンティング領域責任DMRのメチル化解析を行い14番染色体母親性ダイソミー(UPD(14)mat)症候群(エピ変異)2例を同定した。Silver-Russell症候群表現型を示すUPD(14)mat症候群エピ変異症例の初めての報告である。UPD(14)mat表現型は幅広く、原因不明成長障害の原因の一つである可能性が示唆された(投稿中)。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://www.nch.go.jp/endocrinology/upd14/index.html