研究課題/領域番号 |
23390087
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
黒田 雅彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (80251304)
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研究分担者 |
須藤 カツ子 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (50126091)
落谷 孝広 独立行政法人国立がん研究センター, その他部局等, 分野長 (60192530)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | エクソソーム / miRNA / がん幹細胞 |
研究概要 |
(1)効率的な標的細胞へのエクソソームの導入法の確立:我々は、エクソソームの膜表面に、がん特異的に結合する分子を発現させ、がん幹細胞を標的とするエクソソームの作製を検討した。今年度は、HBV由来の表面マーカーの検討を行った。 (2)遺伝子導入の操作を用いない特異的エクソソーム導入法の開発:これまでの検討は、細胞に遺伝子導入を行うことでエクソソーム膜表面に特異的ligandを発現させる手法を用いていた。しかし、臨床応用を考慮すると、ドナーとなる細胞に遺伝子導入を行う事は現実的には難しい。そこで、本研究項目において、エクソソーム膜表面に発現する分子を用いることで特異的にEGFR発現細胞に、エクソソームを導入する手法を開発した。 (3)マウス実験による抗腫瘍効果及び安全性の検討 1.癌細胞移植モデルの検討:各種肺がん培養細胞株、ユーイング肉腫細胞株をRAGマウスに移植したモデルを作製した。本モデルマウスを用いて293T細胞よりmiR-34a、EWS-Fli-1 siRNA含有エクソソームを作製し、本モデルマウスにi.v.する事で腫瘍増殖抑制効果を判定した。 2.Luciferaseトランスジェニックマウス(Tg)の作製とエクソソームの安全性、生体内代謝の検討:これまでの研究によって、マウスに導入したエクソソームが移植した腫瘍に到達することはわかっているが、他の臓器への集積に関する知見や、外来のエクソソームによる安全性の検討はされていない。このような背景から、昨年度、Chiken-β-Actin Promotorを用いて、全身にLuciferaseを発現するトランスジェニックマウスを作製した。今年度は、Luciferase siRNAを含有したエクソソームを作製し、全身の各臓器における、エクソソームの発現抑制効果を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画の予定で順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通りに計画を進行させていく。また、今年度開発したエクソソームの改変技術には新規性があるため、国際特許出願を念頭に特許申請を行う。また、エクソソームに効率的にmiRNAを導入する手法に関しては、引き続きより力を入れて研究していく必要がある。
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