研究課題
これまでに、研究代表者は、米国ロックフェラー大学のRalph Steinman教授とともに自己免疫反応や腫瘍免疫などの様々な免疫反応を抑制する制御性T細胞の抗原特異的な増殖誘導に樹状細胞が重要な役割を果たす事を示してきた。樹状細胞はプロフェッショナルな抗原提示細胞であり、自然免疫と獲得免疫をリンクする重要な細胞である。2011年にRalph Steinman教授は樹状細胞を発見した功績でノーベル医学賞を受賞した。樹状細胞は、様々なサブセットに区別され、サブセットにより異なるC-タイプレクチンやToll様受容体などを発現し、微生物などからの自然免疫シグナルにより、異なって活性化する事が知られている。本研究では、制御性T細胞の抑制機能、生存能力をコントロールする自然免疫シグナルを解析し、目的に応じて制御性T細胞を制御する事を目的とし、研究を行った。H23年度に制御性T細胞の抑制能、生存能が増強するシグナルとしてTLR2リガンドであるPam2 lipopeptidesが候補である事を示した (Yamazaki et al, PlosOne 2011)。H24年度には、口腔由来の樹状細胞が制御性T細胞を増殖誘導している事を報告した(Yamazaki et al, PlosOne 2012)。制御性T細胞は、通常はCD4+T細胞の約5-10%の割合を占めている。興味深い事に、今回、局所の制御性T細胞の割合をCD4+T細胞の約50%に増強できる刺激Aを見出した。この際、MHC class II強陽性の樹状細胞が制御性T細胞とクラスターを作っている事も確認した。刺激Aが生体内で樹状細胞を活性化する自然免疫シグナルについて実験を進めている。刺激Aは局所のCD4+T細胞の制御性T細胞の増殖を誘導するだけでなく、脾臓や所属リンパ節の制御性T細胞のホメスタシスにも関与している事が判明し、現在論文を投稿している(Yamazaki et al . submitted.)。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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