研究課題/領域番号 |
23390091
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
本多 伸一郎 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (60360640)
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キーワード | 濾胞樹状細胞 / IgA / IgM / Fc受容体 |
研究概要 |
濾胞樹状細胞(Follicular dendritic cells, FDC)はリンパ節の濾胞内に存在し、胚中心の形成に必須の細胞である。しかしながらFDCは単離が非常に困難であることからその解析はもっぱら免疫組織染色法によって行われてきたため、その活性化調節機構の詳細は未だ不明である。申請者らはIgA/IgMに対する受容体であるFca/mR(CD351)を同定し、特異的抗体を用いた組織染色解析によってFca/mRがFDCに高発現し、胚中心形成を抑制していることを明らかにしてきた。本研究はFDCの単離法を確立し、FDCの活性化調節機構を明らかにすることを目的として行った。 本年度、申請者はFDC特異的マーカーであるFDC-M2を用いて、細分化したナイーブマウスのリンパ組織からCD45陰性FDC-M2陽性細胞を分画化する手法を確立し、この細胞が発現分子のみならず形態学的、機能的にもFDCであることを確認した。定量的RT-PCR解析によってFca/mRが単離したFDCに高発現していることが確認されたが、その発現はlipopolysaccharides(LPS)による刺激に伴って亢進した。また、単離、培養したFDCを用いて共焦点顕微鏡による局在解析を行ったところ、Fca/mRの大部分は粗面小胞体からゴルジ体に局在しており、LPSによる刺激に伴って細胞表面上の発現が亢進することが明らかとなった。よってFca/mRはFDCの活性化マーカーとして有用であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
FDCの単離法を確立し、Flowcytometry法や定量的RT-PCR法などを用いた詳細で定量的な解析への基盤を得ることに成功した。FDCの単離法については論文発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
単離したFDCを用いて、胚中心形成におけるFDCの活性化調節機構の詳細を明らかにしていく。この際、IgAおよびIgMとFca/mRとの会合がFDCとB細胞の相互作用に与える影響についても検討を進める予定である。
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