研究課題
アミロイドーシスは蛋白質が病的構造を取り、アミロイド線維として組織に沈着し障害を与える疾患群であり、患者数も多く病態の解明と治療法の開発が希求されている。AApoAIIを中心とした各種全身性アミロイドーシスの既存及び新たに作成するモデルマウスを駆使して、(1)個体間及び組織間の伝播の担体(分子及び細胞)と経路を明らかにする。(2)熱ショック転写因子 (HSF1)やアポリポ蛋白質欠損マウス等を用いて蛋白質恒常性維持機構がアミロイドーシスの発症や治療に及ぼす効果を解析する。これらの研究によってアミロイドーシスの包括的な病理学的把握を達成し、各種アミロイドーシスの治療、予防法の開発を目指す。本年度(25年度)は、実施計画(1)に基づきApoA-IIのC末端にMycで標識したApoa2c-mycのトランスジェニックマウス(ApoA2-mycTg/mApoa2-/-)を作成し, アミロイド線維を投与してアミロイドーシスを誘発し、Mycでラベルした線維を抽出した。体内に侵入したアミロイド線維は,先ず腸管と舌へ集積するようである。さらに伝播経路を明らかにするために、糞や血液中に含まれるアミロイド線維の解析を行い、血液中の特に白血球の分画に伝播性が強いことが明らかになった。ヒトAA アミロイドーシスの前駆蛋白質SAAを過剰発現するトランスジェニックマウスやアミロイド原生が強いヒトβ2ミクログロブリン変異体(β2MD76N)のトランスジェニックマウスを作成中した。実施計画(2)に基づき、アミロイド沈着と小胞体ストレスの関連を調べた結果、アミロイド線維の沈着に伴い、肝臓及び腎臓でストレスセンサーであるBip/GRP78蛋白質が増大し、Bipの下流シグナルの活性化、さらにアポトーシスも誘発されることを明らかにした。しかし心臓ではこのような反応は観察されなかった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 4件) 図書 (4件) 備考 (2件)
Vet Path
巻: 51 ページ: 363-371
10.1177/0300985813511128
Exp Anim
巻: 63 ページ: 99-106
10.1538/expanim.63.99
Amyloid
巻: 21 ページ: 1-8
10.3109/13506129.2013.852529
巻: 20 ページ: 59-60
10.3109/13506129.2013.792802
http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/department/doctor/grdkarei/i-byotai/
http://samrc.md.shinshu-u.ac.jp/index.html