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2012 年度 実績報告書

遺伝子改変酵素AIDによる発がん

研究課題

研究課題/領域番号 23390097
研究機関滋賀県立成人病センター(研究所)

研究代表者

木下 和生  滋賀県立成人病センター(研究所), 遺伝子研究部門, 専門研究員 (50293874)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2015-03-31
キーワード遺伝子 / 癌 / ゲノム / 突然変異
研究概要

AIDトランスジェニックマウスに発生する肺病変の組織学的および遺伝学的解析を行なった。近年同定された肺呼吸上皮の再生マーカーである p63, keratin 5, keratin 14, Lgr6 を発現していた事、EdU ラベル後のチェース実験から寿命が1カ月程度の一過性病変である事が分かった。また電顕観察により幼弱な粘液産生細胞である事が判明した。p53, K-ras, EFGR 遺伝子の変異検索を行ったが変異率はヒトの肺癌前癌病変である異型腺腫様過形成 (atypical adenomatous hyperplasia, AAH) で報告されている変異よりはるかに小さく、ほとんどの病変で変異を検出することができなかった。これらのことからAIDトランスジェニックマウスの肺病変は肺上皮の再生病変であると考えられた。AIDトランスジェニックマウスの肺ではアポトーシスが亢進していた。従って、AIDによる遺伝子変異の結果、一部の細胞が死滅しているのではないかと思われる。これを補うために組織再生が行なわれ、一見 AAH に類似した病変が出現すると考えられた。AIDトランスジェニックマウスの1割の個体で観察される肺腫瘍はこの再生病変でAIDが遺伝子変異を引き起こす結果、腫瘍化したものである可能性が考えられた。
AID遺伝子に赤色蛍光タンパクRFPをコードする遺伝子をノックインしたマウスを組織学的に解析した結果、RFPの発現がAIDの発現を忠実に反映している事を確認できた。今後これを用いた発癌誘導実験を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウスの交配で仔マウスがなかなか誕生しなかったため。

今後の研究の推進方策

AID遺伝子に赤色蛍光タンパクRFPをコードする遺伝子をノックインしたマウスを組織学的に解析した結果、RFPの発現がAIDの発現を忠実に反映している事を確認できた。今後これを用いた発癌誘導実験を行う。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] 肺の再生と発癌 ーゲノム編集酵素 AID による肺癌仮説一2012

    • 著者名/発表者名
      喜夛村次郎
    • 雑誌名

      THE LUNG perspectives

      巻: 20 ページ: 311-317

  • [学会発表] Chronic lung injury by constitutive expression of AID leads to focal alveolar regeneration and cancer2013

    • 著者名/発表者名
      喜夛村次郎
    • 学会等名
      文部科学省平成24年度「個体レベルでのがん研究支援活動」 ワークショップ「個体レベルの がん研究による相乗効果」
    • 発表場所
      大津
    • 年月日
      20130207-20130207
  • [学会発表] Activation-induced cytidine deaminase promotes oncogenesis of ultraviolet light-independent squamous cell carcinoma of the skin2013

    • 著者名/発表者名
      野中太一郎
    • 学会等名
      文部科学省平成24年度「個体レベルでのがん研究支援活動」 ワークショップ「個体レベルの がん研究による相乗効果」
    • 発表場所
      大津
    • 年月日
      20130207-20130207
  • [学会発表] 核酸編集酵素AIDによる慢性肺障害後の肺組織再生と肺発癌2012

    • 著者名/発表者名
      喜夛村次郎
    • 学会等名
      第71回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      20120920-20120920
  • [備考] 滋賀県立成人病センター研究所

    • URL

      http://www.shigamed.jp/

  • [備考] 滋賀県立成人病センター研究所 木下研究室

    • URL

      http://homepage2.nifty.com/gene/evomed/homu.html

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公開日: 2014-07-24  

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