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2013 年度 実績報告書

遺伝子改変酵素AIDによる発がん

研究課題

研究課題/領域番号 23390097
研究機関滋賀県立成人病センター(研究所)

研究代表者

木下 和生  滋賀県立成人病センター(研究所), 遺伝子研究部門, 専門研究員 (50293874)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2015-03-31
キーワード遺伝子 / 癌 / ゲノム / 突然変異
研究概要

遺伝子改変酵素AIDが上皮細胞で炎症刺激により誘導される観察に基づき、慢性炎症を背景に発症する癌がAIDによって引き起こされる作業仮説を裏付けるため、AID発現履歴のある細胞を可視化する遺伝子改変マウスモデル(AID-RFP)を用いた実験をおこなった。ウレタン腹腔内投与により肺腫瘍を誘導する実験系において、AIDの発現履歴が誘導されるか検討を行った。8週齢のAID-RFPマウスにウレタン 20 mg を腹腔内投与し、16週後に解剖し肺の切片を顕微鏡で観察した。その結果、 RFP 発現細胞が誘導されていることが分かった。その細胞の一部は肺胞I型上皮のマーカーであるポドプラニンを発現していた事から、肺胞上皮で AID の発現が誘導されている事が示唆された。しかし、その後の実験でウレタン投与後の AID 発現が mRNAレベルで確認できなかった事から、AID がウレタン刺激により誘導されるかどうか、さらなる検証が必要である。
AIDトランスジェニックマウスの肺に生じる微小病変 MALL (mouse AAH-like lesion) の遺伝子変異をレーザーマイクロダイセクションで解析する際、病変の同定に必要な実験方法を開発した。従来のレーザーマイクロダイセクションではカバーガラスを使用できないため、切片表面で光が乱反射し細胞核などの微細な構造が確認できず微小病変 MALL の同定が困難であった。そこで、レーザーマイクロダイセクションに使用でき、顕微鏡観察の視認性を向上させる油性封入剤(液体カバーガラス)を開発した。これを特許(国内)として申請し登録された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り、AID の発現履歴をモニターできるマウスが準備でき、発がん実験を進めている。

今後の研究の推進方策

種々の刺激を肺胞上皮に与え、AID の発現が誘導されるかどうか検討する。皮膚腫瘍に関しての AID 発現履歴も検索する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 備考 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Activation-induced cytidine deaminase is dispensable for virus-mediated liver and skin tumor development in mouse models2014

    • 著者名/発表者名
      Nguyen, T., Xu, J., Chikuma, S., Hiai, H., Kinoshita, K., Moriya, K., Koike, K., Marcuzzi, G. P., Pfister, H., Honjo, T., Kobayashi, M.
    • 雑誌名

      Int Immunol

      巻: in press ページ: 1-1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 核酸編集酵素 AID の発癌への関与2013

    • 著者名/発表者名
      喜夛村次郎、木下和生、伊達洋至
    • 雑誌名

      日本臨床

      巻: 71, Suppl 6 ページ: 118-121

  • [学会発表] AID は紫外線非依存的に皮膚扁平上皮癌の発生を促進する2013

    • 著者名/発表者名
      野中太一郎, 植村宗弘, 日合弘, 木下和生
    • 学会等名
      第72回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20131004-20131004
  • [学会発表] EXPRESSION OF P63 IN ALVEOLAR LESION OF TRANSGENIC MICE EXPRESSING A MUTAGENIC CYTIDINE DEAMINASE, AID2013

    • 著者名/発表者名
      iro Kitamura, Munehiro Uemura, Hiroshi Hiai and Kazuo Kinoshita
    • 学会等名
      6th p63/p73 International Workshop
    • 発表場所
      木更津
    • 年月日
      20130915-20130915
  • [備考] 滋賀県立成人病センター研究所

    • URL

      http://www.shigamed.jp/

  • [備考] 滋賀県立成人病センター研究所 木下研究室

    • URL

      http://homepage2.nifty.com/gene/evomed/homu.html

  • [産業財産権] レーザーマイクロダイセクション法およびその利用、並びに、油性封入剤2011

    • 発明者名
      木下 和生
    • 権利者名
      木下 和生
    • 産業財産権種類
      特許特開2012-205572
    • 公開番号
      特開2012-205572
    • 出願年月日
      2011-04-01
    • 取得年月日
      2014-02-07

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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