研究課題/領域番号 |
23390106
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
鈴木 敏彦 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10292848)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | インフラマゾーム / カスパーゼ-1 / 腸炎ビブリオ / エフェクター / 免疫回避 |
研究概要 |
本研究では、III型分泌装置(T3SS)を介してカスパーゼ-1活性化を抑制するエフェクター分子を同定・解析することによって、腸炎ビブリオによる新しい免疫回避の分子機構を解明することを目的とした。本年度は、NLRC4インフラマゾーム活性化を負に制御する腸炎ビブリオのT3SSエフェクターを2種類同定し、それらの細胞内の機能を明らかにした。 エフェクターのひとつVopQは細胞内のオートファジーを誘導し、もうひとつのエフェクターVopSは低分子量GTPaseRhoファミリー分子を不活化することによって、それぞれ相加的にNLRC4インフラマゾーム活性化を抑制していた。興味深いことに、これらのエフェクターはNLRP3インフラマゾーム活性化に対する抑制効果を持たなかった。NLRC4インフラマゾーム活性化に干渉する細菌のエフェクターの同定は今までに報告がなく、全く新規な機能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
腸炎ビブリオのT3SSエフェクターによるインフラマゾーム活性化抑制機構の一端を明らかにできた。
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今後の研究の推進方策 |
さらに、エフェクターによる細胞内シグナル機構と、詳細なインフラマゾーム活性化抑制のメカニズムを解明する。
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