研究課題/領域番号 |
23390131
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中島 和江 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (00324781)
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研究分担者 |
芳賀 繁 立教大学, 公私立大学の部局等, 教授 (10281544)
小松原 明哲 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (80178368)
鈴木 敬一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70221322)
奥村 明之進 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40252647)
中村 京太 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00287731)
上島 悦子 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (80432441)
高橋 りょう子 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (20467559)
中島 伸 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (80501402)
福井 康三 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (70199181)
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キーワード | シリアスゲーム / 医学教育 / 医療安全 / カリキュラム / ヒューマンファクターズ / 認知能力 / 人間工学 / チーム医療 |
研究概要 |
我が国の医学部・医科大学における医療安全教育の現状に関する調査を行い、卒前医学教育の医療安全教育には、ヒューマンファクターズ領域(認知心理学や人間生活工学等の観点からエラー発生メカニズム)に関して専門家による教育の実施や利用可能な教材の確保が容易でないことが明らかになった。一部の大学では、クイズやグループ討議等の学生参加型教育を取り入れることにより、エラー等に関する学生の関心と理解が高まることが経験されていた。また、医療系学生へのアンケート調査では、学生がデジタルやアナログゲームを用いた学習方法に関心を有していることが示された。 教育におけるゲームの活用については、ゲーミフィケーションと呼ばれるゲーム性を取り入れたグループワーク(貿易ゲームやマシュマロチャレンジ等)、一人もしくは複数名で行うアナログゲーム(すごろく等)やデジタルゲーム(ミニゲームやロールプレイゲーム等)があり、教育教育目的に合わせたゲームの選択、到達目標(○○ができる)及び到達度の測定方法を予め設定しておく必要性が確認された。 ヘルスケアに関する教育においてシリアスゲームの開発・利用が進んでいるオランダ、アメリカ等でのコンテンツは、医療従事者を対象とした専門的知識(救急医療における問診や初期治療等)、患者を対象とした医学・医療知識(入院生活、MRI検査の持ち込み禁止物品、がん化学療法等)に関するものが中心であり、新規性の高い領域として医療従事者のストレス管理やコミュニケーション技術に関するものも開発されている。しかし、実行、記憶、状況認識・判断に関するエラーのメカニズムと回避方法を習得させるコンテンツはいまだ開発されていないことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度(平成23年度)に計画していた国内外の卒前医学教育における医療安全教育の状況の把握、ゲームを用いた教育に関する国内外の知見の収集等については、計画どおり順調に進捗している。一方、シリアスゲームのコンテンツを開発し、それをデジタル化することに関しては、今年度の研究を通じて、アナログ段階でのゲームデザインの専門家を交え、詳細な検討を行わなければ開発が困難であることが明らかになったため、この部分については翌年度(平成24年度)に繰り越すこととした。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の研究成果物の一つとなるデジタルゲームコンテンツ開発については、ゲーム開発専門家チーム(ゲームデザイナー、プログラマー、グラフィッカー等)との協力が不可欠であるため、現在の研究者(医療、認知心理、人間工学)に加え、研究分担者や研究協力者としてゲーム開発専門家に参画してもらうようにする予定である。
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