研究課題/領域番号 |
23390134
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
織田 順 東京医科大学, 医学部, 准教授 (60459500)
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研究分担者 |
相馬 孝博 東京医科大学, 医学部, 教授 (90262435)
上野 雅仁 東京医科大学, 医学部, 助教 (40600896)
織田 香里 東京医科大学, 医学部, 助教 (10366130)
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キーワード | 救急集中治療 / 質保証 / 定型化アプローチ / 診療技術伝承 / リスクマネジメント |
研究概要 |
この数年の医師研修システムにおいて、救急医療研修が必修化され、急変・初療に関わる対症療法的な診療やプロトコールに沿った診療の技術は向上しつつある。一方で「全身を診る眼」については未だ研修効果が発揮されているとは言い難く、また効率的な教育方法も確立されていない。救急集中治療領域では問題となる病態・治療がいくつもあり、並列同時)に進行する。さらにそれぞれの病態が相互に影響していることがしばしばであることが救急集中治療を複雑に思わせる一因となっている(例:気道確保を要するのは気道閉塞のため以外にも、意識レベル不良のため、人工呼吸を要するため、など相互に関係)。そのため、診療や記録の標準化による医療安全への取り組みは他の領域と比較して遅れがちで、救急集中治療(特に入院診療)に関する診療技術の伝承や教育に関する社会技術がない。本研究では救急集中治療領域における効率的なチーム内情報共有と相互理解を目指した新しい定型化アプローチを開発し、診療技術の伝承や教育への効果を多施設の実診療で検証し、さらに電子化診療録への実装化のためのアドオン技術の開発を行い、一連の社会技術の創生を目的とする。 初年度である本年度は、研究代表者が開発したABCD-INRFT型の定型化アプローチについて、研究代表者の所属救命救急センターにおいて、実診療ならびに診療録において試行が開始された。項目数は半年間で約100例、10000項目が蓄積された。ほとんどの診療情報がA~Tいずれかに変換され落とし込み可能であった。来年度からは蓄積された大量の項目情報を使用して、診療の実態を可視化すること、教育プログラムを精緻化することを目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿って、倫理的要件を十分満たした上で、ABCD-INRFT型アプローチに基づいた診療情報の蓄積が適切に行われていることから、概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画では、ABCD-INRFT型アプローチにおける、A~Tそれぞれの単純解析、相互影響の解析を進めることになっている。現在のところ遂行計画に問題はない。
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