研究課題/領域番号 |
23390136
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
後藤 伸之 名城大学, 薬学部, 教授 (10434614)
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研究分担者 |
灘井 雅行 名城大学, 薬学部, 教授 (00295544)
永松 正 名城大学, 薬学部, 教授 (70103265)
大津 史子 名城大学, 薬学部, 准教授 (90329772)
長谷川 洋一 名城大学, 薬学部, 教授 (90535098)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 薬物療法判断能力 / 薬剤師教育 / アウトプット / エイジミキシング / 段階的教育プログラム |
研究概要 |
本年度は、昨年度構築した段階的教育プログラムにおける個々の教育プログラムを実施し、その問題点の抽出と評価を行った。 1.アウトプットを重視した段階的教育プログラムの実施と問題点の抽出 1)シミュレータPDE:昨年度構築したシミュレータPDEのプログラムを5年生の臨床薬物治療学において実施した。ヒト型シミュレータを使用したプログラムではアナフィラキシーショックを、マイクロシムを利用したプログラムでは喘息発作症例を題材として、生命の危機に直面しているバーチャルな患者に学生個人が向き合い、知識をアウトプットする訓練を実施した。成果は、平成25年9月にベトナムで実施されるACCP13で発表予定である。2)リアルタイムPBL:本年度は、患者個人情報の持ち出し禁止に対応する「薬学教育における症例情報利用の個人情報の保護についての基準」の検討を開始した。各医療施設によって状況が異なるため、原則的な基準の草案を検討した。3)E-PDE:E-PDEを4年生の薬物治療学の復習用自己学習として2つの疾患、卒業生に対しては4疾患のe-PDEを実施した。e-PDEは、平成24年度日本工業新聞社主催の第9回日本e-ラーニング大賞において厚生労働大臣賞を受賞した。4)E-PBL:卒業生を対象とし、日常的に遭遇する糖尿病、喘息、高血圧、リウマチを対象としたバーチャルなPBLを実施した。実施後の卒業生からは「わかっているつもりであった知識が実はあいまいで、グループで学習することで知識が定着した」という意見が多かった。 2.段階的教育プログラムの評価の実施と問題点の抽出 平成23年度に検討したルーブリック評価を用いた自己評価尺度を利用して1、3,4)の教育プログラムの評価を実施した。学習者の自己評価における学習到達度の尺度にルーブリック評価を用いることで教育効果を客観的に確認しやすくなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度に計画した検討内容については、おおむね順調に進展した。平成23年度に構築したプログラムをほぼ順調に実際の教育に応用することができた。リアルタイムPBLの実施のための基準作りについてのみ、各施設の状況があり、進捗状況が若干遅れている。しかし、e-PDEについては、平成24年度の日本e-ラーニング大賞で厚生労働大臣賞を受賞するなど、社会的な評価を受けることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、平成24年度に実施した段階的教育プログラムの実施結果を踏まえ、教育効果を評価すると共に、その結果を基に教育プログラムおよびシステムの改良を行う予定である。特に、学習評価方法についての実績が2年分になることから、教育評価方法としての妥当性を検討する予定である。
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