研究課題/領域番号 |
23390143
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
東 純一 兵庫医療大学, 薬学部, 教授 (30144463)
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研究分担者 |
増山 理 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70273670)
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キーワード | 抗凝固薬 / ワルファリン / ゲノム薬理学 / 前向き臨床試験 / 遺伝子多型 |
研究概要 |
本研究では、臓器血栓塞栓症の予防のためにワルファリン導入が必要な者を対象に、「遺伝子情報によるワルファリン維持投与量の適正化が治療の効率化に繋がるか」を前向き臨床試験により検証する。本年度は、臨床試験実施に関わる計画書及びその他の必要書類の作成、共同研究機関や実施医療機関となる病院における試験実施に向けた調整が主であった。 また本研究では、医療機関からの血液サンプルの郵送方法を改善した。本臨床試験は文書によりインフォームドコンセントを受け、臓器血栓塞栓症の予防のためにワルファリン導入が必要な患者を対象とした試験である。まず、実施医療機関で被験者のエントリーを行い、被験者から遺伝子検査用の血液サンプルを採取する。サンプルは兵庫医療大学に送付され、CYP2C9*3、VKORC1 -1639G>A遺伝子多型を判定する。その後、実施医療機関からの臨床情報(年齢、身長、体重)及び遺伝子検査の判定結果をもとに被験者を対照群と試験群に割り付け、ワルファリンの初回投与量が決定される。本研究では、まず、サンプル輸送を簡便にするための方法を検討した。従来、スピッツ管に採取した血液を冷凍した状態で血液サンプルが輸送され、低温状態での輸送が必要となり時間がかかっていた。今回は、ろ紙に血液をしみこませ、その状態のまま室温で輸送する方法を採用した。本研究では、この方法で輸送した場合であっても遺伝子型の判定が十分に行える方法を確立できた。この方法により、速やか且つ簡便な血液サンプルの輸送が可能になり、遺伝子型判定から割り付け、投与量決定まで迅速に行うことができるようになった。現在ではすでに臨床試験を開始し、この方法を用いてのサンプルの郵送が行われている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本前向き臨床試験は本大学及び共同研究機関である大阪市立大学や関連病院において既に承認され、また、臨床試験登録も済み、現在までに臨床試験を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
協力を了承しているいくつかの病院では、まだ臨床試験の承認がされていないことから、今年度は早急に申請、対応を行う予定である。また、エントリー症例の確保に努める。
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